「談義」の意味とは
「談義(だんぎ)」には、「談議」という漢字表記もありますが、意味は同じで以下の通りです。
- 話し合うこと。相談すること。談合。
- 物事の意義・内容などをやさしく説くこと。また、その話。
- 意見すること。教えさとすこと。こごと。説教。
- 仏法の因果の道理を説くこと。説法。法談。
「談義」と「談義」の違い
「談義」と「談議」の違いとは?
ほとんどの辞書では「談義」と「談議」の二つの漢字表記を併記して、上記の意味を掲載しています。よって、この二つを同じ言葉として捉えても間違いとは言えません。
一方で、記者が記事を書く時の国語表記の手引書である『記者ハンドブック』によると、「談義〔道理を説く〕談義僧、法話談義」、「談議〔話し合うこと〕談議に花を咲かせる」という使い分けの用例が掲載されています。敢えて使い分ける際には、これに従うと良いでしょう。
「談義」と「談議」の変遷
収録語数の多い辞書の古い用例では、ほとんど「談義」となっていることから、本来の表記は「談義」だと言われています。
ところが、近代以降、気ままに話し合うという意味で「○○談義」という複合語が登場し、これに「談義」だけでなく、「談議」も使われるようになりました。当初、一部の新聞社が「談議」を使い始め、それが徐々に広まって、今では多くの辞書にも掲載されるようになったのです。
「談義」と「談議」の使い方
ここでは、新聞記事にならって「談義」と「談議」に分けて使い方をご紹介しましょう。教育談議や政治談義など、道理を説いたり諭したりするものは「談議」。ゴルフ談議や野球談議といった、気楽に趣味やスポーツの会話を楽しむことは「談議」としています。
ただし、ここでの「談議」を「談義」と表記したとしても誤用ではありません。
「談義」の例文
「談議」の例文
- オタク談議をする鉄オタの飲み会に、撮り鉄の友人を誘って参加した。
- 私たちは週末になると近所のスポーツカフェでサッカー談議に花を咲かせている。
- 京都に登場したラーメン小路で食べ比べをしながら、ラーメン談議をするつもりだ。
「談義/談議」の類語
「説教」
「説教(せっきょう)」は、「教訓や小言、または、それらを言うこと」、あるいは「宗教の教えをわかりやすく説明して、人々を導く」という意味です。前者は「談義」の2、3の意味、後者は4の意味に相当します。
【例文】
- 授業中を何度もサボったら職員室に呼び出され、担任と生徒指導の先生にさんざん説教された。
- 祖母は、祖父の月命日には欠かさず、菩提寺(ぼだいじ)の和尚さんの説教を聞きに行く。
「議論」
「議論(ぎろん)」とは、「あるテーマに対して、互いに自分の意見を述べて論じあうこと」です。英語で言えばディスカッション(discussion)ですね。
「議論」は「談義」の1の意味(話し合いや談合)に近い言葉ですが、「談義」よりは形式的な印象を与えます。また、「議論」はヒートアップすることもあるので、「談義」よりも場の空気が荒れることもあるでしょう。
【例文】
- 高齢社会のあるべき姿について、白熱した議論が交わされた。
- 役員の不祥事が指摘されたことで、今期の株主総会は企業の社会的責任(CSR)についての議論が噴出して大いに荒れた。
「講話」
「講話(こうわ)」は、「あるテーマについて人々にわかりやすく説明すること、講義すること。あるいは、その話」を指します。基本的には、一方的に誰かが話をして相手に理解させるといった、説教や説法に近いものです。
「講話」のテーマによっては、「談義」の1以外の意味のいずれかに相当する類語と言えます。
【例文】
- 当大学の法学部の教授が、一般市民を対象とした民法改正に関する講話をすることになった。
- ネットで禅宗の講話を集めたCDを購入した。