「有識者」とは?意味や使い方をご紹介

世の中では日々いろいろな出来事が起きていますが、その度にテレビ番組では有識者(ゆうしきしゃ)を呼んで議論を交えています。有識者の意見が全て正しいとは限りませんが、私たちはそれらの意見を知識として蓄えたりします。今回は「有識者」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「有識者」の意味
  2. 「有識者」の使い方
  3. 「有識者」の線引き
  4. 「有識者」の類語

「有識者」の意味

実は「有識者」の「有職」には複数の読み方が存在し、意味が変わってきます。それぞれの読み方と意味を見ていきましょう。

  1. ゆうそくその道に明るい人・朝廷や武家の官職、典例に関する知識に詳しい人
  2. ゆうしき故事典礼に明るい人・学問があり見識が高いこと
  3. ゆうしょく…職を持っている人のこと
  4. うしき…僧職の已講(いこう)・内供(ないぐ)・阿闍梨(あじゃり)の総称

「ゆうそく」と「ゆうしき」の違いは特に難しく、前者が「昔の事をよく知り、その知識をもとに今の事を判断する」のに対し、後者は「知識がある物知りな人」という意味になります。なお、典例は「根拠となる先例」を、典礼は「儀式」を意味します。

一般的にニュースや新聞で表記される「有識者」は、2番の読み方で使うことが多く、通常は、学識経験者や実務経験者のことを指しています。

「有識者」の使い方

【例文】

  • 今回の会議は、環境対策に関する有識者の方を数名お呼びして、意見を述べてもらう場となっている。
  • いじめに詳しいと紹介されたその人物は、とても有識者と呼べるレベルになく無知さをさらけ出していた。
  • 有識者だからと言って語られる言葉全てが真実とは限らないことを私たちは知るべきである。
  • 今年も有識者会議によってあらゆる分野における問題点が浮き彫りになった。

有識者会議とは、経済界や学界・マスコミといった様々な分野における有識者(学識経験者や実務経験者)が、議題について検討する会議のことで、主に国や地方自治体などの諮問機関として設置されます。

「有識者」の線引き

例えば、海洋生物に関する有識者の場合、海洋生物を長年研究している大学教授などの研究者は「有識者」に当てはまります。では、海洋生物マニアは「有識者」と呼べるのでしょうか。

実はこの線引きはとても曖昧なものになっています。「有識者」の定義は、「その分野について知識量が豊富かどうか」であり、マニアも知識が豊富であれば「有識者」と呼んで差し支えないことになります。

しかし、日本には、比較的社会的地位が高く、知識・経験を積んだ人が「有識者」と呼ばれる風潮があり、マニアは「マニア」としか認識されません。

「有識者」の類語

「専門家」

「専門家」とは、「ある学問分野や事柄などを専門に研究・担当し、それに精通している人」のことです。意味だけを見ると「有識者」との違いがわかりません。あえて違いを探すとすれば、「その事柄を知るだけで無く、実際に担当した」人を「専門家」と呼びます。

しかし、「有識者」の中にも「対象となる事柄に関して携わった経験のある人」はいますので、実際の線引きはとても曖昧なものです。

【例文】

  • マラソン大会の開催日程について専門家と話した結果、酷暑を避ける形で10月に行われることになった。
  • 株の専門家に話を聞いたところ、私が保有している株は今すぐ売った方が良いのではないかという意見を頂いた。
  • 日本の景気について専門家に尋ねたところ意外な答えが返ってきた。

「プロフェッショナル」

「プロフェッショナル(professional)」は、略して「プロ」と呼ばれますが、「主たる収入を得るために特定の分野に従事し、精通している人。専門職」という意味があります。

「プロフェッショナル」の名詞である「profession」は、「専門的な仕事」と訳せるため「専門的な仕事をして評価を得ている人」と捉えることも出来ます。

「プロ」と対になるのが「アマチュア」で、通称「アマ」です。日本語にすると「愛好家」などに訳されますが、金銭目的ではなく趣味の延長というイメージが強い言葉です。

【例文】

  • 彼はパソコンに関してはプロフェッショナルな腕前を持っているから相談しに行った方がいいよ。
  • 陶芸教室に本日伺ったのだが、先生のプロフェッショナルな姿勢に思わず感銘を受けた。
  • 彼女は本気で野球のプロフェッショナルを目指しているらしい。


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