「オタク」の意味
「オタク」とは、ある分野において強い興味を持ち、極端に没頭している人という意味です。
明確な定義はありませんが、一般的にアニメやゲーム、アイドやパソコン、特撮などサブカルチャーと呼ばれる分野において、熱狂的にハマっている人を「オタク」と呼ぶことが多いようです。
ちなみに「オタク」の略称は「オタ(ヲタ)」で、アニメオタク=アニオタ、気持ち悪いオタク=キモオタ、などの使われ方があります。
「オタク」の由来
1983年に発売された雑誌「漫画ブリッコ」で、作家の中森明夫氏が「おたくの研究」というコラムを発表したことが、「オタク」という言葉が生まれるきっかけになりました。
当時コミックマーケット(※漫画やアニメ、ゲームなどのジャンルを扱った同人誌の展示即売会)では、参加者の一部で互いに「オタク」(呼称としてのお宅)と呼び合う状況がありました。
その様子を取り上げた中森氏のコラムは大きな反響を呼び、アニメやゲームなどに極端にハマっている人たちのことを「オタク」と呼ぶ流れが世間に広まっていきました。
「オタク」の使い方
■使用例
- 秋葉原はオタクの聖地と呼ばれ、マニアックな店舗が集まっている。
- 彼はパソコンオタクで、24時間パソコンのことを考えているといっても過言ではない。
- 「オタク文化」を世界に発信しようと作られた政策が、経済産業省のクールジャパンだ。
「オタク」の類語
「マニア」
「マニア」は、ある特定の分野に特化して、非常に熱中している人を差します。ギリシャ語で「狂気」を意味するManiaという言葉が語源になっており、同義語として「~バカ(例:あいつは釣りバカだから)」という言葉があります。
■使用例
- 彼は無類の切手マニアで、家には切手保管専用の部屋があるほどだ。
- 自称コスメマニアというだけあって、彼女の化粧品好きは有名です。
「愛好家」
「愛好家」とは、ある事や物が非常に好き、またこよなく愛している人を差します。例えば犬が好きな場合は愛犬家、タバコが好きな人は愛煙家と呼ばれます。
まだ「オタク」という言葉がなかった頃1980年以前は、何かに熱中している人のことを「愛好家」「~狂」という言葉で表していました。
■使用例
- 父は朝早くから、ゴルフ愛好家の集まりに出かけていった。
- 母は筋金入りの小説愛好家で、月1回開催される、仲間との小説談義を楽しみにしている。
「オタク」を意味する英語表現
「geek」
「geek」(ギーク)は変り者や変人とも訳され、ある分野において非常に没頭している人という意味を持っています。
専門家と言ってもいいほどの深い知識があったり、飛びぬけてその分野に詳しい人を差します。特にパソコンやIT分野に熱中している人に向けて使われることが多い単語です。
■使用例
- He is a computer geek. (彼はコンピュータオタクだ。)
- I am an animation geek. (私はアニメおたくです。)
「Nerd」
「Nerd」(ナード)は英語圏で広く使われてるスラング(俗語)で、ある分野において非常に詳しい人、極端にハマっている人を差します。
上記で紹介した「geek」と違って社交性に欠けるという意味合いがあり、他にも面白みに欠ける、堅物、くそまじめなど、ネガティブで偏見的な要素が濃い点が特徴です。
■使用例
- Nerd boys read novels.(オタクの男子達は小説を読んだ。)
「オタク」=OTAKU
2008年に当時の総理大臣だった麻生太郎氏が、次世代を担うコンテンツ産業として「オタク」文化を推進しました。大きな話題になったので記憶に新しい人も多いかもしれません。
日本のアニメやゲームに関連したポップカルチャーは「オタク文化」と呼ばれ、今や世界中から注目を集めています。
その流れでオタク文化を理解している人が多いアメリカ、フランスでは、「オタク」(=OTAKU)といえば日本のゲームや漫画にはまっている人、という意味で使われているようです。
何かに熱中して深く情熱を捧げる「オタク」精神が、アニメや漫画といったジャンルを一つの文化に昇華させたといっても過言ではないでしょう。
過去には一般的に理解しにくいという印象から、ネガティブな意味合いが強かった「オタク」ですが、現代ではその認識が薄れ、ポジティブなものに変わってきています。