「博識」とは?
「博識」の意味
「博識」は、他の人が知らないようなことまで何でもよく知っていることや、その様子を表したことばです。名詞として用いるほかに、「だ」を付けることで形容動詞として用いることもできます。
「博識」は、「昆虫博士」や「鉄道オタク」のように、ある特定のジャンルで深い知識を持っていることではありません。むしろ、知識や雑学の範囲が非常に広く多岐にわたっているようなイメージを持つと、より正確に意味をとらえられるでしょう。
「博」の字義
「博識」を構成する漢字のひとつである「博」には、さまざまな意味があります。その中でも今回用いられているのが、広いという意味です。「博学」「博覧」「博聞」といった熟語で用いられている「博」にも同様の意味があります。
「識」の字義
「博識」を構成するもうひとつの漢字である「識」もまた、複数の意味を有する多義語ですが、今回の場合は「知っていること」という意味を表しています。
「博識」と同様の意味で「識」が用いられているのが、「知識」「常識」「学識」といった熟語です。いずれの語も、知っていることを基に「正しく判断する」という意味合いも含みます。
「博識」を用いた例文
- 彼も母国では博識で鳴らした男だから、クイズバトルで簡単には負けっこないさ。
- 私は、この界隈でクラーク博士ほど博識な人物をお会いしたことがないのだよ。
- 彼女の博識さがかえって先入観を生み、柔軟な発想を妨げていやしないだろうか。
「博識」を含む例文の大意をつかむなら、別の平易な表現に置き換えてみる方法がおすすめです。たとえば、「物知り」や「知識が豊富」などの言葉は、比較的分かりやすいのではないでしょうか。
「博識」の類語
これらのことばのうち上から三つの四字熟語は、いずれも「博識」とほぼ同様の意味を持っています。したがって、使い方もほぼ同様と考えてよいでしょう。
四つめの「生き字引」の「字引」とは、辞書を表しています。つまり全体としては「生きている辞書」という意味でとらえるのがいいでしょう。
下の三つは、いずれも深い知識を有していることを意味することばです。しかしながら、「博識」とは異なり、必ずしも「幅広い知識」を意味しません。
「博識」の反対語
- 浅学非才(せんがくひさい)
- 無知無学(むちむがく)
- 不案内(ぶあんない)※「ふあんない」とも
- 半可通(はんかつう)
- 寡聞(かぶん)
- 蒙昧(もうまい)
これらは、いずれも「物を知らない」ことを表したことばです。しかしながら、中でも「浅学非才」と「寡聞」の二つには使用する際に注意が必要とされます。
なぜならば、この二つのことばは主に自分のことを謙遜して言い表すのに用いられるからです。つまり、本当は博学なのにへりくだって「知識がない」などと表現する場合があり、そのケースでは言葉を額面通りに受け取るわけにはいきません。
「博識」を英語で表すと?
「博識」そのものを英語で表したものの中で、もっとも典型的なものが"wide knowledege"です。この英語表現を直訳すると「幅広い知識」となり、「博識」の持つ意味に合致します。
また、「博識である」ことを示したいときは、"well-informed"という形容詞を使って表すことも可能です。こちらの"informed"には、「知識のある」という意味があります。
「博識」を含む英文例
- All of them have a wide knowledege.(彼らはみな博識です。)
- He was famous as a well-informed person.(彼は、博識な人として有名でした。)