「生き字引」とは
「生き字引」(読み:いきじびき)は、「生きる(生きている)」と「字引」から成る慣用句です。まず、「字引」から見ていきましょう。
「字引」とは
「字引」は今ではあまり使われなくなりましたが、字を引く(調べる)もの、つまり「字書」や「辞書」のことです。
「生き字引」とは
「生き字引」は、ある事柄に長く関わってきて、経験や知識が豊富にある人という意味です。その人自体がまるで辞書であるかのように、何かを質問すればスッと答えが出てくるような人を指します。
ただその知識の内容については大きく分けて次の2パターンがあり、多くの場合は2のニュアンスで使われるようです。
- 博識、博学、物知りと言われるような、広い分野において多くの知識を有する
- ある学問や仕事、地域の慣習など、自分が長年身を置いた分野の情報が豊富である
「生き字引」の使い方
たとえば、社内で同じ部署に長くいる人に対して「生き字引」と言うと、それは知識はあるものの応用・融通が利かない人という皮肉的なニュアンスであることがあります。
しかし、多くの場合は、下の例文のようにほめ言葉として使われます。特に、経験を積んだ年長者に対して尊敬の念を込めて使うことが多い言葉です。
「生き字引」の文例
- あの人はこの部署の生き字引のような存在だ。
- この地域の祭りのことなら、村の生き字引ともいうべき村長さんに聞くといいよ。
- そんなことまで知っているなんて、あなたはまるで生き字引だね。
「生き字引」の英語表現
「生き字引」に対応する英語表現としては、"walking dictionary" (歩く辞書)や"walking encyclopedia"(歩く百科事典)が挙げられます。
- You’re a walking dictionary!(あなたは生き字引ですね!)
- That old lady is,as it were,a walking encyclopedia.(あの老婦人はまるで生き字引だ。)
「ウォーキングディクショナリ」はカタカナ語として用いられることもあります。