「網羅」とは?意味や使い方をご紹介

「網羅」という言葉は、辞書や参考書などの帯で見かける機会があるかもしれません。いろいろな語句を所収しているといった意味で使われますが、なぜ「あみ」という字が使われるか不思議に感じる方もいるでしょう。「網羅」の意味や使い方を語源を含めて説明します。

目次

  1. 「網羅」の意味
  2. 「網羅」の使い方
  3. 「網羅」の類語:包括的
  4. 「網羅」の反対の意味の言葉:抜粋(抜萃)

「網羅」の意味

「網羅」(もうら)の意味は以下の2つです。

  1. 人を束縛する物事、法律などによる制裁のこと
  2. (人や物事について)残さずに取り入れて集めること

「網羅」の語源

「網羅」の「網」と「羅」は、どちらも「あみ」のことですが、「網」は魚をとる「あみ」で、「」は鳥をとる「あみ」です。

両方の「あみ」があると、海と陸の食料となる動物を捕まえられますね。鳥や魚が捕まえられて逃げられない様子を人にたとえて「束縛する」「制裁する」という意味ができました。

また、海と陸の獲物を取り残さず入手できるところから、「全てを取り入れる」「残さず集める」ことを表すようになったと言われています。

「網羅」の使い方

現在、「網羅」は、もっぱら2の意味で用いられ、1の意味ではほとんど使われていません。「細かい所までもらすことなく全てをまとめて取り入れる」「広範囲にわたって収集する」といったニュアンスで使われます。

【「網羅」を文章中に使う例】

  • ~を網羅する
  • 網羅的に~する

「網羅」の例文

  • この漢和辞典は小学生が習う漢字を網羅している。
  • 各界の著名人を網羅するように招待客のリストを作ってください。
  • 初心者から上級者まで使える網羅的な参考書を出版した。
  • 3社のバス路線と電車で市内の公共交通機関を網羅している。

「網羅」の類語:包括的

「包括的」(ほうかつてき)とは、全てを1つにまとめてひっくるめる様子を表します。細かい部分や隅々(すみずみ)に至るまで幅広い範囲にわたってまとめるニュアンスで使われます。全て残らずに集める「網羅」と似たような意味合いです。

【例文】一律に給付金を交付することで、国民に包括的な支援を行う。

「網羅」の反対の意味の言葉:抜粋(抜萃)

「抜粋(抜萃)」(ばっすい)とは、全体の中から必要な部分のみを抜き出すことです。「一部抜粋」(いちぶばっすい)とも言います。「網羅」は、もれなく全体を集めることを表すため、部分的に利用する「抜粋」とは反対の意味合いに取れます。

「抜粋」は、他人の著作物の中から、論文や画像、グラフや図表などを抜き書きする際などに使います。自作の論文や資料の補足として「抜粋」部分を利用すると相手に伝わりやすくなり、自説を裏付けして説得力を増す効果も期待できます。

【例文】顧客への説明会で内容を分かりやすく伝えようと、役所の文書から抜粋したグラフを掲載した。


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