「向学心」とは
「向学心(こうがくしん)」とは、「学問にはげもうとするこころざし」を意味する言葉です。一般的によく言われる「向学心に溢(あふ)れる」「向学心に燃(も)える」などの表現は、打算的な目的の為ではなく、真面目に学問に向き合う心を持っている人を表現しています。
学生や社員の募集要項などに記載される「向学心を持った人求む」など、真面目な場面で使われることが多い言葉です。
「向学心」の使い方
- あの留学生は向学心に溢(あふ)れており、分からない日本語があるとすぐにどういう意味なのかと聞いてくる。
- 彼女は、息子の向学心の旺盛さを知り、嬉しいと同時に責任の重さも感じていた。
- 向学心に燃えている彼は、積極的に多くの学者に話しかけ質問している。
- 社長が望む新入社員は、向学心に溢れている学生だが、応募者の中にいるだろうか。
- 彼が上京して5年、適当な仕事につき慎ましい生活を送っているが、向学心だけは忘れていない。
「向学(こうがく)」の同音異義語
「後学」
「後学」には、以下の二つの意味があります。
- 後日に役立つ学問や知恵:これは、「将来、自分の役に立つと思う学問・情報・知恵・経験など」のことです。「後学のために~」という様な言い回しで使われることが多く、「後学のために教えてください」「後学のために見学したい」などがあります。
- 後進の学者:これは、漢字そのままで、「先人のたどった道を後から進む学者」という意味です。
「好学」
「好学」とは、「学問が好きなこと。学問に興味や関心を持つこと」という意味です。「向学」と類似した意味ですが、微妙な違いがあります。「好学」は、ただ純粋に学問が好きなことで、「向学」は、自分の意志で学問に取り組むことです。
【例文】
- 彼らは、全国各地から集まった「好学の士」だ。
- あのチームには、好学の男女が揃っている。
その他の「こうがく」
- 「光学」:物理学の一部門で光の性質について研究する学問
- 「工学」:工業関係の技術について研究する学問「電気・電子工学、機械工学など」
- 「高額」:物の値段が高いこと
「向学心」の類語
「向上心」
「向上心(こうじょうしん)」とは、「自分の現状に満足せず、より優れたものにするよう努力する心」を表現する言葉です。「向上心」は、学問も含め、文化・スポーツや趣味など様々なことで知識や技術を高くしようと努力する場合に使われます。
「向上心」の高い人とは、高い目標を定めそれに向かって努力し、失敗してもモチベーションを持続でき、常に物事をポジティブに捉えることができる、といった特徴があります。
【例文】
- 彼は向上心を高めるためには、何か新しいことへ挑戦するのが良いのではと考えていた。
- 「何をするにも、向上心を持って取り組む姿勢が大事だ」というのが父親の口癖だった。
- 今年の新人は、無気力で何事にもやる気が感じられず、向上心のかけらも見られない。
「好奇心」
「好奇心(こうきしん)」とは、「物事に対して興味を持ち、探求しようとする心」を表現する言葉で、人の知的活動の根源となる感情の一つです。未知の事柄や不思議な物事に対して、強い興味や関心を持ち、それが何なのか知りたいという欲求を覚えます。
【例文】
- 好奇心旺盛(おうせい)な人の特徴は、とにかく自分が好きなことや興味があることには、一生懸命なところです。
- 彼は、会話する相手から知らないことや言葉を聞くと好奇心を刺激されるのか、すぐにスマートホンで検索する。
- 彼女の人生は、好奇心と情熱を持ち続けたことで成功したと考えられる。
「知識欲」
「知識欲(ちしきよく)」とは、人の欲望のひとつで「知識を得たいという欲望」という意味です。その欲望の強さは人それぞれで、自分の興味があること、得意なことに対しては知りたいという欲が強く、知識の吸収が速いようです。
また「知識欲旺盛な人」という表現があります。このような人は、いろいろな分野に興味を持ち、自分の知らない知識を求めて積極的に行動し、知識を吸収しています。
【例文】
- 彼女は、自分の知識欲を満たしてくれる本を求めて、都内の書店を巡っている。
- 彼の博識(はくしき)には驚かされるが、知識欲が旺盛な人なのだろう。
- たまたまインターネットで見つけたものに知識欲を刺激された彼は、今でもそれに夢中になっている。