「お歴々」の意味
「お歴々」(おれきれき)とは、地位の高い人々、(社会的な地位の高い)立派な人々のことです。本来は「歴々」や「歴歴」ですが、丁寧の意の接頭語「お」をつけた形で使われることがほとんどです。
「歴」の意味は、ととのって立派であること、身分や家柄が良く周囲から認められていることといった意味から、そのような人を表すようになりました。「々」が後につくことから、複数の人を指します。特定の個人を指すわけではありません。
「お歴々」の使い方
「お歴々」は敬語には当たりません。あくまでも、身分の高い人達や立派な人達のことを丁寧に表現しているだけです。ただ、大した人々ではないのに「お歴々」とすると、嫌味を言うようなニュアンスを込められます。
地位や身分が高い人々
貴族などの身分が高い人以外に、古くから代々続く家柄の良い人、地元の名士など、社会的な地位の高い人で形成されたグループ、もしくは、それらの人をひとまとめにして「お歴々」と使えます。
【例文】
- 地元の開発会社によるパーティには、名だたるお歴々が参加していた。
- 骨董品の展示会の案内を送ると、コレクションの品を見にお歴々が集まってくる。
ある分野で一流と認められた人々
「お歴々」は立派な人達を表します。その意味から、ある分野で一流と認められた人々、その道の権威とされる人々のことも「お歴々」と言えるでしょう。
【例文】
- 医療の発展に貢献したお歴々が一堂に会する。
- 日本文学に精通したお歴々が元号を決めるメンバーに入っているようだ。
(皮肉って)偉い方々
それほど一流でも、立派でもない人々にも「お歴々」を使うこともあります。例えば、地位や身分は高くても、何もせずにプライドが高いだけの人達、周囲から祭り上げられているお飾りの人達などで、「揃いも揃って実際は偉くないのにね」と皮肉や嘲りのニュアンスを込められます。
【例文】
- 所詮親達が偉いだけであって、あのお歴々は何も立派ではない。
- お飾りに過ぎない役員のお歴々は御しやすい。
「お歴々」の類語
錚々たる
「錚々たる」(そうそうたる)とは、多くの人の中で特に優秀な人々を指す語です。後に多くの人を表す名詞をともなって「錚々たる顔ぶれ」「錚々たるメンバー」のように使われます。
「錚々」とは、元々、金属や楽器が澄んだ音色を発する様子を例えた言葉です。そこから派生して、多くのものの中で特に素晴らしいものという意味でも使われるようになりました。
【例文】
- 今度の音楽会の出演者は、錚々たる顔ぶれが並んだね。
- 本日の講師は、錚々たるメンバーだった。
綺羅星の如く
「綺羅星の如く」(きらほしのごとく)とは、立派な人や地位の高い人がその場に居並ぶ様子を表す言葉です。他に明るいものが並ぶ場合にも使われます。正確には「綺羅、星の如く」で、美しい豪華な衣装をまとった人を輝く星に例える様子を言います。
「綺」が薄手の綾織の絹、「羅」が薄絹のことで、高価で手が込んでいて美しい生地のことを指します。そこから派生して「綺羅」は、豪華で贅沢な作りの衣装という意味となり、権力者や身分が高い人が着飾っている様子を表すようになりました。
【例文】
- 表彰式には綺羅星の如く実力者が勢揃いした。
- 地域のドンと噂される人が開いた新年会には、有名なアスリートが綺羅星の如く出席した。
セレブ
「セレブ」は、英語で"celeb(「セレブレティ」"celebrity"の略称)"で、名士や著名人のことです。
ただし、日本ではお金持ちの人やお金持ちが多く住む地域で生活をする人たち、ライフスタイルなどが豪華で高級ブランドを身に着けている人、その中でも女性誌や情報番組でもてはやされる人達のことを指す場合があります。
「セレブ」の使用例としては、「セレブ」の中でも、発言や行動が目立ち豪奢(ごうしゃ)な生活をしている人を「スーパーセレブ」、いわゆる「セレブ」が使っている高級ブランドの持ち物を「セレブ御用達」「セレブ御用達ブランド」などと使います。
【例文】
- 海外でセレブと呼ばれる人は、災害があると率先して寄付をするそうだ。
- セレブ御用達ブランドの化粧品をゲットした。