「企図」とは?意味や使い方をご紹介

「企図」(きと)という言葉をご存知でしょうか。日常会話で登場することは少ないものの、ビジネスシーンや文書などで用いられます。漢字から大方の意味は予想がつきそうですが、社会人であれば覚えておきたい言葉です。今回は「企図」の意味と使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「企図」とは?
  2. 「企図」の使い方
  3. 「企図」の類語

「企図」とは?

「企図」(きと)とは、あることを企てること、または、その内容を意味します。企て(くわだて)、目論見(もくろみ)と言い換えることもできます。仕事や文書において見聞きすることが多い言葉です。

「企」は、音読みが()、訓読みが(くわだてる、たくらむ)。意味は、①「ものごとを始める、企てる」、②「憧れる、待ち望む」の二つがありますが、 「企図」では①の意味で用いられます。

「図」は、音読みが(ず、と)、訓読みが(はかる、)。字義は複数ありますが、「企図」においては「図る、考える」の意味が当てはまります。

「企図」の使い方

「企図」は、あまり普段から使われる言葉ではないため、日常会話にとりいれたとしても、「きと?」と相手は首をかしげてしまうかもしれません。使うシチュエーションは選んだほうが賢明でしょう。

ビジネスシーンでの会話や文章という設定で、下記にいくつか文例を紹介します。「企図」を使うときには、たんに考える、というのではなく「企てる」わけですから、具体的な目標やそれを達成するための計画を明確に伝えるのがポイントです。

文例

  • 今回のイベントでは、我が社の新製品を消費者に知ってもらうために、まずは手に取り使ってもらうことを企図してブースを設置します。
  • A社との提携を模索しているのは、同社の国際的な販売網を活用するという、当社の国際化を企図してのことだ。
  • 中村君は、自身の福祉への理念を実現することを企図して、選挙に立候補するそうだ。

「企図」の類語

「企図」には、実に多くの類語や類する言い回しが存在します。わけてもビジネスの場においては、目標を設定し、そのための行動計画をたてることが仕事の根幹ともいえます。

「企図」やその他の類語を理解し、ニュアンスの違いなどによってうまく使い分けていくことは、企画書の書き方などにも有益にはたらくことでしょう。

「意図」

「意図」(いと)は、大きく分けて二つの意味をもちます。

  1. なにかをしようとすること、その実現を考えること
  2. このようにしようと考え、目指すこと、また、その狙いや目的。

「意」という漢字は、思う、考える、という意味をもちますので、企てる、目論む、というニュアンスの強い「企図」よりも、考えることに重きをおいた言葉です。

【文例】当校の校歌は、生徒に自主自立の精神が育まれることを意図して作詞されました。

「立案」

「立案」(りつあん)には、次の二つの意味があります。

  1. 案をつくること、計画を立てること
  2. 文案、草案、下書きをつくること。

「企図」の類語としては、1の意味があたります。「企図」にくらべて、案件を具体的につくることに重点がおかれている言葉です。

【文例】会議で立案されたプロジェクトは、満場一致で承認され、さっそく実施にむけてのチームづくりがスタートした。

「策略」

「策略」(さくりゃく)とは、目的をかなえるためにうまく事を運び、相手を操り陥れるための図りごとを意味します。

「企図」とくらべると、「相手を操り、陥れる」というネガティブなニュアンスがある言葉ですので、使用するときには注意が必要です。

熾烈な競争が繰り広げられるビジネスの場では、「企図」にも「立案」にも、ライバル社の攻略という方針が含まれる場合もありますが、「策略」を公的な会話や文書に用いることは避けたほうがよいでしょう。

【文例】今回の企画書は、実のところ、A社の顧客を奪う策略がさまざまに込められているんだ。

「一計を案じる」

「一計を案じる」(いっけいをあんじる)とは、ある目的を達成するために、計画を立てること、策を講じることを意味する表現です。

漠然とした意図ではなく、具体的な目的のための立案であること、とくに「よい策を練る」というニュアンスがあることが特徴です。

【文例】鈴木君の由美子さんへのプロポーズが成功するように、僕は一計を案じて彼に伝えた。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ