「あまロス」とは?意味や使い方をご紹介

「あまロス」とは、2013年上半期に放映されたNHKの連続テレビ小説(朝ドラ)『あまちゃん』の終了によって、喪失感に陥った人々の状態を表した「あまちゃんロス」の省略語です。今回は、社会現象すら起こしたドラマの概略と「あまロス」の背景をご紹介します。

目次

  1. 「あまロス」とは?
  2. ドラマ『あまちゃん』とは?
  3. 「あまロス」の使い方
  4. 「あまロス」の背景
  5. 「あまロス」まとめ

「あまロス」とは?

「あまロス」とは、「あまちゃんロス」の略語です。「ロス」は英語の"loss"(失うこと)に由来する言葉。ペットロス(ペットとの別れによる喪失感)や、ましゃロス(福山雅治の結婚による精神的ショック)というときの「ロス」と同じです。

一方、「あまちゃん」はNHK朝の連続テレビ小説(通称朝ドラ)『あまちゃん』のこと。「あまロス」は、『あまちゃん』の放送終了により、喪失感や悲しみ、無気力感に陥ったファンの状況を表します。



「あまロス」の詳細を解説するにあたり、まずはドラマ『あまちゃん』がどのような作品であったかをご紹介しましょう。

ドラマ『あまちゃん』とは?

『あまちゃん』は、2013年4月から9月にかけてNHK朝の連続テレビ小説として放送されました。脚本は、宮藤官九郎、主演の天野アキを演じたのは、オーディションで1953人の中から選ばれた能年玲奈(2016年7月より、現在の「のん」に改名)です。

ヒロインの祖母を宮本信子、母親の春子役を小泉今日子(若き日の春子は有村架純)、アキとアイドルユニットを組むユイを橋本愛が演じ、それら主要メンバーを、個性的な出演者たちが支えました。

『あまちゃん』第一部あらすじ

岩手県三陸海岸沿いの架空の町(北三陸市)を、東京の女子高生アキが訪れる。東京で鬱屈した日々を送っていたアキは、海女である祖母の仕事に魅せられ、自らも海女となることを決意する。

アキの親友となった、アイドル志望の地元の美人女子高生ユイは、ミス北鉄(北三陸鉄道リアス線)に選ばれ、新米海女であるアキと共に観光PRの広告塔的存在になってゆく。スカウトマンの誘いを受けた二人は、全国区のアイドルを目指す。

『あまちゃん』第二部あらすじ

父親の急病でユイは上京をあきらめ、アキは1人でGMT47(全国地元アイドルを集めた、芸能事務所の二軍アイドルグループ)の一員として活動する。懸命に努力するものの、失敗を重ね、さまざまな事情もからんで脱退してしまう。

両親が設立した個人事務所に移り、映画『潮騒のメモリー』主役の座を勝ち取ったアキだが、2011年3月、東日本大震災が起こり、海が舞台のこの映画の上映も打ち切られることとなった。

6月、芸能活動をやめて三陸の町に戻ったアキは、津波被害で壊滅状態となった海女業の復興を誓う。ユイとのローカルアイドルユニットも再結成。北鉄完全復旧の見通しもたち、二人は希望に満ちた表情で海を見つめる。

「あまロス」の使い方

  • 毎日、朝も昼の再放送も『あまちゃん』を観て、ネットの実況でみんなと盛り上がった日々が忘れられない。いまだに「あまロス」から抜けられないんだ。
  • 小学生の娘、中学生の子供、私たちに加えて両親まで『あまちゃん』に三代ではまっていました。共通の会話もなくなって、家族規模の「あまロス」で参りました。

「あまロス」の背景

『あまちゃん』は、最高視聴率27%、平均を見ても高視聴率を獲得したドラマであることは事実です。しかし、その数字は、朝ドラとして飛び抜けているかといえば、そうでもありません。

そのようなドラマが、社会現象的な盛り上がりを見せ、終了時に「あまロス」という言葉を産むまでになった背景には、どのようなものがあったのでしょうか?

「あまロス」とSNS

東日本大震災からの復興を描いた『あまちゃん』は、広く国民の共感を得ました。加えて、SNSを通じたネットユーザーの熱狂が、番組人気の起爆剤となったのです。

ネット上のアイドルファン達が作品に登場するアイドルに魅了されたことで、「実況」と称される掲示板においては、放送中にリアルタイムで感想が飛び交いました。

また、『あまちゃん』は小ネタが多くしこまれていた作品です。ファンは朝の本放送と昼の再放送の二度、あるいは録画を視聴して、ネタの発見などを報告しあうことにも、得難い楽しみを見出していたと言われています。

このようにして盛り上がったドラマの終焉とともに、日常に膨らんだファン同士の楽しい交流の習慣も終わりを告げ、深刻な「あまロス」に陥る人が続出したのです。

「あまロス」まとめ

作品そのものに加え、SNSで実況中継的に盛り上がる、という視聴の楽しみ方も評判をよんだ『あまちゃん』は、1950年代も回顧的に織り込むことで、幅広い世代の関心も集めました。

ネットに、家族にと話題を提供し、多方面での「絆」を作りあげたという意味で、際立ったドラマだったと言えます。終了で「ロス」が発生したのも、うなずけますね。


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