「基」とは?意味や使い方をご紹介

「失敗は成功の基」に使われる「基」。実は分野によっていろいろな意味があります。人の名前にも使われますし、数える時の単位にもなります。今回は「基」について意味や使い方、ことわざなどをご紹介します。「元」や「本」との使い分けも説明します。

目次

  1. 基の読み方
  2. 基の意味
  3. 基の使い方
  4. 基に関連することわざ

基の読み方

「基」は「き」と読みます。「もと」とも読み、送り仮名の「い」がついて「もとい」となることもあります。

基の意味

一般的な意味

「基」の一般的な意味は土台や根底、根拠などです。物事のよりどころになる最も根本的な部分を指します。

「基」は大事な部分というよりは土台となる、前提となるような部分を指します。あるいは助けになる部分と表現しても良いかもしれません。ここでは主にこの意味を取り扱います。

単位としての意味

「基」は単位として使われる場合もあります。お墓や神仏を数える時の単位が「基(き)」です。

普通のお墓だけでなく、ピラミッドや古墳も「基」で数えることがあるそうです。石塔や鳥居も「基」で数えます。神様は「基」以外にも「柱(はしら)」という単位でも数えます。

その他、土台のしっかりしたオブジェ、機械や乗り物などにも使われます。例えば、ベンチや信号、発電所、人工衛星、スキーのリフトを数える時などですね。

化学での意味

化学でも「基」は登場します。この場合は「き」と読みます。「基」は分子の中の特徴的な原子団のことです。

最もわかりやすいのは高校で学ぶ官能基(かんのうき)です。化合物に科学的な性質を与えている原子の集まりですね。

薬でいえば薬効の原因となる部分で、アミノ基やカルボキシ基などがあります。官能基はさらに細かく特性基に分けることができます。いくつかの特性基が集まって官能基が出来上がるともいえますね。

名前での意味

人の名前にも「基」はよく使われます。とくに男性の名前に多く、「悠基」や「晃基」、なかには「基」一文字で「もとい」と読む名もあります。

基本の「基」といわれるように、人間としての基本をおろそかにしないという気持ちで付けられるようです。その他、土台が安定した建物のようにしっかりした大きな人になって欲しいという意味の場合もあります。

基の使い方

使い分け

「基」を「もと」と読む場合、同音異義との混同に注意しましょう。大抵は以下のように使い分けされています。

  • 基…土台。根拠や助けになるもの。
  • 元…始まり。最初の部分。「元社長」のように時間的に前のことも表します。
  • 本…最も大事な場所。
  • 下…影響や統治の及ぶ範囲。支配下、影響下など。
  • 素…材料。素材になるもの。
  • 許…近く。そばにあるもの。手許や親許に使われますが、「元」が使われることもあります。

例文

  • 彼は近代物理学の基を作った偉大な学者だ。
  • 彼の発想に基づいて様々な研究が進められた。
  • 日本の文化が基になって新たなブームが生み出された。

基に関連することわざ

失敗は成功の基

失敗は成功の基」とは失敗すればその原因を調べて対策を練るので成功につながるという意味です。「失敗は成功の母」ともいいます。

場合によっては「下手な鉄砲も数撃てば当たる」のように、何度も挑戦すれば一回くらいは成功するという意味で使われていることもあります。

金の貸し借りは不和の基

「金の貸し借りは不和の基」とは、お金の貸し借りはどんなに仲の良い間柄でも仲たがいやトラブルの原因になるという意味です。

「金の切れ目が縁の切れ目」や「金を貸せば友を失う」など、お金に関わることわざは他にも多く見られます。

心やすいは不和の基

「心やすいは不和の基」とは仲が良すぎるとかえって遠慮がなくなり、仲たがいする基になるという意味です。似た言葉に「親しき仲にも礼儀あり」があります。


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