「溌剌」とは?
「溌剌」の意味
「溌剌(はつらつ)」は、きびきびとして元気のよい様子を表したことばです。本来は魚が飛び跳ねる様子を表したことばだったのが、転じて現在の意味でも用いられるようになりました。
「溌剌」を用いるときの注意点
【書き間違いについて】
「溌剌」の「剌」の字は、見かけが「刺」という字とよく似ています。日常生活では「刺」の方がよく用いられますので、この熟語を書く際には注意が必要です。
【表現の堅さについて】
「溌剌」は比較的難しくなじみの薄い漢字を用いるため、見る人にやや堅い印象を与えがちです。もし、柔らかい印象を与えたいなら、「はつらつ」や「ハツラツ」という表記を用いることも検討しましょう。
「溌剌」の使い方
この熟語は主に「溌剌と」「溌剌たる」のかたちで用いられ、文中では修飾語としてはたらきます。あるいは、「溌剌さ」とすることで名詞として用いることも可能です。
「溌剌」を含む例文
- 高校球児たちの溌剌としたプレーを見ると、こちらも自然と元気が湧いてくるようだ。
- 若者らの元気溌剌たる姿に触発され、自然と中高年の者たちもやる気でみなぎっている。
- その溌剌さこそが子どもたちの特権でもあり、大人たちが忘れかけているものでもある。
「溌剌」がキャッチコピーに含まれた例
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— オロナミンCドリンク (@oronaminc_drink) July 10, 2020
📣いつでーもスマイルしーようねー‼️
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どこからともなく👀
#森七菜 生徒会長からエールがっ😍
そうです・・・待望の新CMが完成したんですっ🎊‼️#オロナミンC は頑張っている💪すべての皆さまに#元気ハツラツ!を届けます☺️✨#元気はつよいぞ pic.twitter.com/PNp8UVPFNF
こちらは、「溌剌」がキャッチコピーに含まれた清涼飲料水の販促ツイートです。ただし、堅いイメージを与えがちな漢字表記ではなく、より親しみを感じやすいカタカナ表記で「ハツラツ」と表現されています。
1965年に誕生した同商品は、くだんのキャッチコピーとともに半世紀以上にわたり多くの人々に愛されてきました。
「溌剌」の関連語
「溌剌」と似た意味を持つ言葉
- 活発
- 元気
- 精彩(せいさい)
- 矍鑠(かくしゃく)
これらの言葉は、いずれも活気にあふれ生き生きとしている様子を表しています。ただし、最後の「矍鑠」だけは、主に老人に対して用いる言葉なので注意が必要です。
【例文】
- 大差がついてもけっして精彩を欠くことなく、最後まで戦い抜こうじゃないか。
- 斜向かいに住む老人は、齢八十を迎えるにもかかわらず実に矍鑠としている。
「溌剌」と対立する意味を持つ言葉
- 愁然(しゅうぜん)…うれいに沈んでいるさま。
- 憮然(ぶぜん)…落胆しているさま。
- 悄然(しょうぜん)…懸念することがあって元気がないさま。
- 暗然(あんぜん)…気落ちしているさま。
これらの言葉はニュアンスの差こそあれ、いずれもが元気のない様子を表しています。よって、元気のよい様子を表した「溌剌」とは好対照の意味を持つものだといえるでしょう。
【例文】
- サヨナラホームランを打たれた投手は、憮然とした表情で立ちつくしていた。
- コンペで敗れて帰ってきた彼の悄然たる様子は、とても見てはいられない。
「溌剌」を英語で表すと?
「溌剌とした」や「溌剌たる」を英語で表すには、"lively"や"vigorous"といった形容詞を用いるのがよいでしょう。いずれもが、元気いっぱいの活力のある様子を表すことができます。
また、「溌剌さ」のような名詞に対しては、"liveliness"を用いることが可能です。
「溌剌」を含む英文の例
- I saw a lively boy walking with his dog.(私は、犬と散歩している溌剌とした少年を見かけた。)
- The children were very pretty for their liveliness.(子どもたちは、その溌剌さが非常に可愛かった。)