「名代」とは?意味や使い方をご紹介

「名代」という言葉には、なんと3つの読み方があり、それぞれ異なる意味を持ちます。「みょうだい」「なだい」「なしろ」ですが、もっとも使われる頻度の高いものは「みょうだい」です。今回は「みょうだい」の意味を中心に、「名代」の使い方を類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「名代」とは?
  2. 「名代」の使い方
  3. 「名代」の類語
  4. 「名代」(なだい)の意味と使い方
  5. 「名代」(なしろ)の意味と使い方

「名代」とは?

「名代」という言葉には、みょうだい)(なだい)(なしろ)という3つの読み方があり、それぞれ異なる意味をもちます。現代日本語で頻繁に使われているのは(みょうだい)、次に(なだい)。(なしろ)は大和朝廷にさかのぼる古い言葉で、今使われることはありません。

「名代」を最も一般的な(みょうだい)と読むとき、その意味としては以下の3つが挙げられます。

  1. ある人の代理をつとめること、また、その人。人の代わりに立つこと、身代わり
  2. (演劇や興行などの)一座の幹部のこと
  3. (花柳界において)贔屓の遊女が病などの場合に他の遊女を代わりとすること。

現在、最も一般的なのは①の意味での用法です。若い人には馴染みのない言葉かもしれませんが、ビジネスシーンなどの改まった場では、まだまだ頻繁に使われています。

「名代」の使い方

「名代」(みょうだい)は、古めかしい響きの言葉であり、若者社会で使われる頻度は高くありません。とはいえ、「代理人」の意味の「名代」は、年配者や大きな組織、企業などでは、いまだ用いられる言葉ですので、理解しておくことは必要です。

組織や企業では、会議などに出席すべき人の代理人が、自己紹介などにおいて「鈴木部長の名代として出席させて頂く山本でございます」などのように用います。

上記の例は、会議が身内、もしくは他社も参加している場合として「名代」のままの使い方を挙げましたが、得意先など外部の敬うべき人物の代理となる場合は「ご名代として」と敬語の「ご」を用いましょう。

「名代」「ご名代」の使い分けは、相手との関係性、およびその場との関係性によって判断することが大切です。

「名代」の文例

  • 本日、海外出張中の山田の名代として出席させて頂きます企画部課長の田中でございます。
  • 今日は、父の名代として伯父様卒寿の祝宴に駆けつけました。
  • ご療養中の松下様ご名代として、鈴木がご祝辞をのべさせていただきます。

「名代」の類語

「代理」の意味と使い方

「代理」(だいり)は、「名代」のもっとも一般的な類語のひとつです。他人の代わりに物事の対処や処理をすること、また、それをする人、という意味をもちます。

あらたまった場から一般的なシチュエーションまで、幅広い場面で使われますが、くだけた日常会話で使うには、多少硬い表現です。

あらたまった場では、「~の代理を務めさせていただきます~でございます」などと使い、日常の場面では「~の代理で~する}など多様な用い方をされます。

文例①:本日、佐々木課長の代理で本会議の司会を務めさせて頂く田中と申します。
文例②:正雄、お父さんの代理で伯父さんにお土産を届けてきてくれよ。

「代わり」の意味と使い方

「代わり・代り・替わり・替り」(かわり)は多義的な言葉ですが、「名代」の類語は、他の人や物の代理をすること、また、その人のこと、という意味によるものです。

くだけた言い方ですので、日常会話で頻出しますが、ビジネスシーンやあらたまった場には適切とはいえません。

文例:恵美ちゃん、おかあさんの代わりにスーパーに買い物に行ってきてくれない?

「名代」(なだい)の意味と使い方

「名代」(なだい)の意味は、①評判の高いこと、名を知られていること、またそのさま。②名目としてあげる名前、名義。③江戸時代の歌舞伎などの興行の許可をえた名義人。

現代で使われているのは①の意味のみです。評判のよい店や名産、職業人などを対象に使われるますが、現代では登場頻度は稀な言葉です。

文例:名代の彫刻家が手掛けたといわれるこの立像は、さすがの美しさだ。

「名代」(なしろ)の意味と使い方

「名代」(なしろ)とは、大化の改新以前の皇族の私有部民(集団)の名称。現代では、歴史学や書物以外では使われることはありません。

文例:いにしえの日本に、「名代」という名称で、皇室に私有民がいたというのには驚かされる。


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