「ゾーン」とは?意味や使い方をご紹介

「ゾーン」(zone)とは、「地域」「地帯」「区域」などを意味をする言葉です。日本語の中にそれなりに定着している語句と言えますが、近ごろでは「ゾーンに入る」などといった慣用句も使用されはじめています。ここでは、「ゾーン」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「ゾーン」の意味
  2. 「ゾーン」の使い方
  3. 「ゾーンに入る」とは?
  4. 「ゾーン」と「エリア」の違い

「ゾーン」の意味

「ゾーン」とは、英単語「zone」に由来する言葉で、「地域」「地帯」「区域」などを意味する言葉です。

特に、何らかの特徴や目的のもとで積極的に区分された一定領域を指すことが多いのが「ゾーン」の特徴です。例えば、野球の「ストライクゾーン」は、その領域を通過した投球をストライクと判定する目的のために設定・運用されています。

また、その特徴から、「立入禁止ゾーン」「スクールゾーン」など、「他の自由な領域と異なり、何かを制限・禁止する目的で区分された領域」を表すこともしばしばです。

「ゾーン」の例①:地学用語

「ゾーン」は、地学用語としては、主に気温によって地球の区域を分けた「帯」のことを指します。

「熱帯」「乾燥帯」「温帯」「亜寒帯(冷帯)」「寒帯」の5つのゾーンがありますが、これに高山気候を含めたり、植生などによる詳細な気候区分(ケッペンの気候区分)を「ゾーン」として含めることもあります。

「ゾーン」の例②:タイムゾーン

「タイムゾーン」(Time zone)とは、ある標準時を使う地域全体(地帯)のことを指す言葉です。「等時帯」ともいいます。

地球は自転していますから、ある地点では真昼でも、その裏側では真夜中です。そのため、地域ごとに時計の針が指している時間(その基準となる標準時)は異なります。そのほうが、生活の利便性が高いからです。

日本の「タイムゾーン」は「UTC+9」(世界協定時にプラス9時間)であり、「UTC-4」のアメリカ・ニューヨークとは13時間の時差があります。

「ゾーン」の使い方

「ゾーン」は、何らかの特徴・目的に基づいているのであれば、その具体的な「広さ」(面積の大小)については問いません。

ただし、「国土」「建造物」「部屋」のような、あらかじめ(物理的・社会的)境界線がはっきりとした領域にはほとんど用いません。はっきりとした境界線が見えにくい、しかし何らかの目的で意味的な「区分け」ができる(そうする必要がある)領域を「ゾーン」と呼びます。

裏を返せば、ゾーンの内外(区域内・区域外)を決める境界線はある程度の曖昧さを含みます。例えば野球の「ストライクゾーン」の判定は、審判によって多少異なる場合があります。

例文

  • 紛争地域の中でも、特に戦闘が多く危険なあたりは「レッドゾーン」と呼ばれて地図上で赤く塗られている。
  • このあたりの山道は、どこも追い越し禁止ゾーンだ。
  • 原宿と言えば、日本の若者文化のホットゾーンだ。(※「熱いゾーン」、すなわち文化が盛り上がっている地域)
  • 居合の達人である彼にとっては、半径5メートル程度までは即攻撃可能なゾーンだ。

「ゾーンに入る」とは?

近頃では、ゾーンに入るという特殊な慣用句が聞かれることがあります。これは、主にスポーツ選手などが、自分を何をしているかと意識することすらない特殊な精神状態になることを言います。

ゾーンに入った者は、疲労を感じることもなく、ただ楽しさや興味だけを感じて、目の前のプレイにのみ集中できる(そのため、いつもでは考えられないような天才的なパフォーマンスが可能になる)と言われています。

その原理ははっきり解明されていませんが、通常状態では到達困難な「特殊な領域」に精神が入るイメージから、「ゾーン」という語用がされているものと推察されます。

「ゾーン」と「エリア」の違い

「ゾーン」とよく似た言葉に「エリア」(area)があります。この両者に決定的な意味の違いはなく、概ね同じように使うことができます。日本語ではどちらも「地域」と訳されることが多いようです。

ただし、上で述べたように「ゾーン」は何らかの特徴・目的に基づく区分であることが多いのに対し、エリアはそのような基準を必要とせず、より広い意味で「ある部分」「特定の場所」というニュアンスで用いることができます。

そのため、どちらかといえば「エリア」のほうが内外の境界線が明確というイメージです。その一例として、野球用語として「ストライクゾーン」とは言っても「ストライクエリア」という呼び方はありません。


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