「ゾーンに入る」とは
「ゾーンに入る(そーん・に・はいる)」は近年使われるようになった新語・流行語です。主にスポーツ選手やスポーツ業界で使用されていた言葉が一般にも広まってきたものと思われます。
「ゾーン」とは
まず、「ゾーン(zone)」は、「地域」や「地帯」といった訳語でよく知られている英単語ですが、俗語としては別の意味があります。
小学館の『プログレッシブ英和中辞典』によれば、ここで言う「ゾーン」とは「スポーツ選手などが到達する精神状態;脳の活動が最高潮に達し、時間の流れが遅くなるような感覚をもち、体が自然に反応する」とされています。
また、「in the zone」は「ゾーンに入って、無我の境地で」という意味であり、「zone it」は「ゾーンに入る、無我の境地になる」という意味があるとされています。
つまり「ゾーンに入る」とは、「スポーツ選手などが見せる極度の集中状態=無我の境地に入り込むこと」であると言えるでしょう。
「ゾーンに入る」の例文
- いわゆる天才と呼ばれる人は皆、意図的にゾーンに入ることが出来たのではないか。
- ◯◯選手は完全にゾーンに入りましたね。もう誰にも止められないでしょう。
- どうして自分にあんなことができたのかはわかりません。あれがゾーンに入るという感覚なのでしょうね。
「ゾーンに入る」ためには
すでに出てきた「無我の境地」の他にも、「フロー(状態)」「火事場の馬鹿力」や「リミッターが外れた」などの表現も「ゾーン」の関連語と言えそうです。
「ゾーンに入った」状態の人間は常人を超えた身体的・精神的なパフォーマンスを発揮すると考えられるのです。
そのため、最近ではスポーツ選手のみならず、仕事や勉強、ダイエット等々の各方面においても「ゾーンに入る」ことの重要性が説かれ、また意図的に「ゾーンに入る」方法が考察・解説されるようになってきました。
意図的に「ゾーンに入る」ためには、「イメージトレーニング」「緊張感とリラックス」「ルーティン」「脳の認知と精神状態のバランス」などが重要とされていますが、個人差があるため「こうすれば確実にゾーンに入れる」という方法はないようです。