「安直」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

皆さんは「安直」という言葉を知っていますか。国会中継を見ていると、とてもこの国を導くべき議員とは思えない安直な意見を述べる方がいます。さらにSNS上で安直な発言をして謝罪に追い込まれる方もよく見かけますね。この記事では「安直」の意味や使い方を紹介します。

目次

  1. 「安直」の意味
  2. 「安直」の使い方
  3. 「安直」の類語

「安直」の意味

「安直(あんちょく)」の意味は、「値が安いこと。安価」「安易なさま。手軽なさまです。私たちが普段、「安直な考え」や「安直な行為」として使う「安直」は後者の意味です。

「安易なさま」とありますが、「安易」には、「たやすいこと」以外に「いい加減なこと」という意味が含まれます。そのため「安直」を「いい加減な」というニュアンスで使う傾向が強くなったと考えられます。

「安直=いい加減」というイメージが強いため忘れられがちな意味の「安価」は、「安直な定食屋=価格の安い定食屋」という使い方がされますが、「適当な・いい加減な定食屋」ではありません。

「あんちょこ」とは?

皆さんは「あんちょこ」という言葉を知っていますか。「安直」が訛って出来た言葉です。実はこれ「教科書を解説した参考書」を指します。教科書には知らない単語や公式が沢山出てきますが、昔は辞書片手に1つずつ調べて頭に叩き込んでいました。

しかし、この「あんちょこ」には、単語や公式の要点がまとめて掲載されており、スムーズに勉強が行えるようになっています。いわゆる「ガイドブック」のようなものです。

今では当たり前になっていますが、練習問題や解説が別冊になって本書の最後のページに挟まっている本の事です。しかし「あんちょこ」という呼び名は最近聞かなくなりつつあります。

「安直」の使い方

例文

  • 息子が、将来についてあまりにも安直な考えを持っていたので、説教をして考え方を改めさせた。
  • この場面で、安直な行動をとると後々面倒なことになるに決まっている。
  • このお店は、とても安直で周辺にある大学の学生にとても人気が高い。
  • 彼女の見た目で不良だと考えるのはあまりにも安直すぎる。

「安直」の類語

「安易」

「安易(あんい)」には、2つの意味があります。「たやすいこと。わけなく出来ること」「のんきなこと。いい加減なこと」です。

「安易」は、「安直」と混同されやすい言葉の1つです。2番目の意味は「安直」とほぼ同じで、例えば「安直な考え」と「安易な考え」を比べれば同じことがわかるでしょう。見分けるには1番目の意味を理解することが大事になります。

1番目の意味には、「妨げるものがない」というニュアンスがあり、「安易に出来る=簡単に出来る」という意味で使われますが、「安直」にはそのようなニュアンスがありません。このように「安易」と「安直」は少し違いがあります。

「軽率」

「軽率(けいそつ)」には、「軽々しいさま。軽はずみなさま」という意味があります。注意深く考えずに軽い気持ちで行動してしまう様子を指します。「軽率な行動」「軽率な判断」のように使われることが多く、その行為を非難する気持ちを含んでいます。

「安直」とは「いい加減な」という意味で近い言葉と言えます。ちなみに「軽率」の対義語は「慎重」で「慎み深く、重々しいさま。注意深く軽々しく行動しないさま」を表します。

また辞書によっては、「軽卒」とも書くと表記されていますが、一般的に「軽卒」の意味は「身分の低い兵士・身軽な服装の兵士」ですから、混同しないためにも「軽率」と表記した方がよいでしょう。

「他愛もない」

他愛もないの読み方は、「たわいもない」もしくは「たあいもない」です。元は「他愛無い(たわいない)」が変化した言葉ですが、「たわい」に当て字として「他愛」を付けたものです。

意味はとりとめのない。思慮がない。手ごたえがない」です。「とりとめ」は、漢字で「取り留め」と書き「まとまり」という意味になります。つまり、「他愛もない」は「まとまりがなく、注意深く考えることがない」ことを指します。

「安直」とも共通する部分がありますが、「軽率」の方がより近い言葉と言えます。よく日常生活において「他愛もない話よ」と使いますが、「一貫性のない、深く考えることのない話」のことを指しています。


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