「提言」の意味
「提言」とは、「意見を考えて言葉に出すこと」を指します。考えているだけで口に出さない状態では「提言」とは呼びません。「言」という漢字が入っているように「発言」することで「提言」となります。
「提言をする」というのは、「人前で(大勢の人に対して)自分の意見を発表する」という意味合いがあり、議会や会議の場で発言することを「提言」と言うことが多いです。
「提言」の使い方
「提言」とは発言することですから、もちろん、受け取る側の人間や機関(会議、議会など)が存在します。そのため「○○から△△への提言」という形をとることがあります。
また「提言」は、「第三者の立場から物事に対して意見を発する」という特徴を持ちます。例えば、「政策提言」とは、第三者である「一般市民」が、当事者である「政府機関」に対して意見を述べることを指します。
このように意見を述べることはするが、直接的にその政策などに関わる立場ではない人の発言を「提言」と呼びます。
例文
- 子育て問題について本会議では様々な提言がなされたが、どれ1つとして実現しそうには無い。
- 有識者から国の財政問題について政府に提言があったが、果たして大臣の耳に入るのだろうか。
- どうやら会社への不満を抱えた社員が大勢いるようなので、社長に体制の改革を提言した。
- クラスの出し物について決めかねているようなので、決定方法について提言した。
「提言」と似た意味を持つ言葉
「提案」
先に説明した通り「提言」は、第三者として意見を述べることです。一方「提案」は、「(当事者として)自分の考えや意見を案にして出すこと」という意味があります。
言葉のニュアンスは似ていても、第三者の「提言」と当事者の「提案」には、「述べた意見に対する責任の有無もしくは軽重」に違いがあると言えます。
【例文】
- 今回の社員旅行を提案したのは他でもない私自身だ。喜んでもらえると嬉しい。
- 上司から行き詰ったプロジェクトの解決策を提案するように頼まれた。
- 彼女が提案したお菓子が晴れて商品化することになった。
「提唱」
「提唱」とは、本来、禅宗の師家(しけ:修行僧を指導する僧)が、宗旨の要綱を説法・講義することですが、「自分の意見・主張などを唱えて、発表すること」という意味も持っています。この言葉も、「提言」に近い言葉と言うことができます。
【例文】
- ○○大学医学部の医師が、ウイルス感染防止策を提唱した。
- アインシュタインは、相対性理論を提唱した理論物理学者だ。
「進言」
「進言」とは、「上位の者に意見を述べること」です。「進言」自体に謙譲の意があるため、「進言申し上げる」のように二重で敬語にする必要はありません。また、自分より立場の下の者へ使う言葉としては適さないので注意しましょう。
【例文】
- 私は部内に気合を入れるため顧問に朝練をするように進言した。
- 彼女はこのプロジェクトを成功させるためには必要な存在ですと上司に進言した。
- どうやら私の進言は聞き入れてもらえなかったようだ。
「提言」を英語で
「提言する」を英語にすると「propose」が、一般的ではないでしょうか。他にも「advise」や「suggest」なども当てはまります。
【例文】
- I proposed creating an important environment for raising children to local governments.(子育てに重要な環境づくりを自治体に提言した。)
- I am an expert,suggested to the government the horror of secondhand smoke.(私は有識者として受動喫煙の恐ろしさを政府に提言した。)