「暴挙」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「暴挙に出る」などの表現で耳にすることもある「暴挙」。しかし、あらためてその意味や使い方を問われるとよく分からないという人も少なくないのではないでしょうか。そこで、今回は「暴挙」の意味や使い方を類語も交えながらご紹介します。

目次

  1. 「暴挙」の意味とは?
  2. 「暴挙」を用いた例文
  3. 「暴挙」の類語・関連語とは?
  4. 「暴挙」を英語で表すと?

「暴挙」の意味とは?

「暴挙」にはさまざまな意味がありますが、主なものは次の二つです。

  1. 乱暴で無謀な行い
  2. 暴動​​

「暴」にも「挙」にも、いくつかの意味がありますが、「暴挙」の場合に「暴」が表している意味は、荒々しいということで、粗暴や暴言、暴君などに使われています。一方、「挙」は、行動・ふるまいという意味で、快挙や美挙、挙措(きょそ)などにも使われています。

1.乱暴で無謀な行い

この場合は、実際に暴力を振るうかどうかは別として、「暴挙」が表しているのは荒っぽく粗雑に振舞っている様子です。丁寧にきめ細やかな対応をする様子とは、まさに好対照だと言えます。

2.暴動

この場合は、人々が徒党を組んで社会の秩序を乱す行動を起こしている様子をイメージするとよいでしょう。

大きな災害や戦中・戦後で暮らしに深刻な影響が及んだ場合、人々にはこれまでも暴動を起こして抗議の意を示してきた歴史があります。日本でも、かつて米騒動や打ちこわし、一揆という名前の暴動がしばしば起きたのは、まぎれもない事実です。

「暴挙」を用いた例文

  • 十分に議論を尽くさないうちに決を採るのは、まさに暴挙以外の何物でもない。
  • あなたがたがそのような暴挙に出るのなら、当方にも考えがあります。
  • 生活物資を求めるがあまり、ついにその都市の住民たちは暴挙に及んでしまった。
  • その国で起きた暴挙は、数日後には国軍によって平定されたと言います。

上記の例文のうち、初めの二つは相手の行動を指して荒っぽい行動だとして非難の意を示しています。それに対して、後の二つはまさに暴動そのものを表しています。これらを見分けるには、暴動という言葉に置き換えられるかどうか試してみるのがよいでしょう。

「暴挙」の類語・関連語とは?

  1. 横車(よこぐるま)…道理にあわないこと。理不尽であること
  2. 高飛車(たかびしゃ)…頭ごなしに相手を押さえつける様子
  3. 強行(きょうこう)…無理や障害の多いことを思い切って行うこと
  4. 強引(ごういん)…無理矢理に物事を行う様子
  5. 暴動(ぼうどう)…徒党を組んで社会秩序を乱す行動
  6. 動乱(どうらん)…社会秩序の乱れから、騒ぎや争いが起きること
  7. 騒乱(そうらん)…事件が起こって世間の秩序が乱れること
  8. デモ…要求や主張をするための大衆的な示威行動。デモンストレーションの略語

これらのうち、1~4は相手の意思や都合を考えずに無理を押し切って行動する様子を表すものです。「暴挙」の意味のうち、乱暴で無謀な行いに近いものだと言えるでしょう。

一方、5~8は規模の大きな争いや行動を意味しています。こちらは、「暴挙」の二つめの意味と関連がある言葉です。

類語・関連語を用いた例文

  • そんな横車を押すような自己中心的な行為が、いつまでもまかり通るわけがない。
  • 君のその高飛車な態度が、クライアントを怒らせていることが分からないのか。
  • 世間で大規模なイベントが中止される一方で、その格闘技イベントだけは開催を強行した。
  • 女の子を食事に誘うのに、強引な手段を使おうとしてもうまくいくはずがないだろう。

「暴挙」を英語で表すと?

「暴挙」の英訳ひとつに「act of violence」がありますが、文字通り「暴力行為」を意味するので、単に荒々しいだけの行動を表現したい場合には使わない方が賢明です。

暴力を伴わない表現には「reckless act(無謀な行為)」「rash act(無分別な行為)」などがあります。

また、「暴動」そのものを表現したい場合には「outrage」があります。この言葉には、激しい暴力や暴動といった意味合いがあります。


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