「挙措」とは?意味や使い方をご紹介

「挙措」は「きょそ」と読みます。普段あまり見慣れない表現ということもあり、自分から使う機会は少ないかもしれません。ですが「挙措端正」や「挙措進退」のような関連語が存在する言葉ですので、覚えておくと役に立つでしょう。ここでは「挙措」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「挙措」の意味
  2. 「挙措」の使い方
  3. 「挙」と「措」の字義
  4. 「挙措」の類語・関連表現

「挙措」の意味

挙措(きょそ)」とは、以下の意味を持つ言葉です。

  1. 立ち振る舞い
  2. 官職・役目を与えることと免じること。

現代では、おもに1の立ち振る舞いという意味で使われることが多いです。あまり見慣れない表現ですが、後述する「挙措端正」「挙措進退」のように、関連する表現は意外と多く、覚えておいて損のない言葉といえるでしょう。

「挙措」の使い方

挙措」は普段あまり使われていない言葉なので、日常会話などのやり取りでは、「立ち振る舞い」や「身のこなし」のような一般的に使われている表現を用いたほうが相手に伝わりやすいでしょう。

一方で、改まった場や公式な文書、小説などといった「お堅い」文章が許容もしくは推奨される場面では、「挙措」を用いることで表現の格式が高まったり、知的な印象を相手に与えることができるかもしれません。ケースによって使い分けると良いでしょう。

「挙措」の例文・使用例

  • 彼女の挙措は優雅で気品が良く、育ちの良さが滲み出ている。
  • トラブルの際でも彼の挙措は落ち着いており、かなりの場数を踏んでいることが窺える。
  • 彼女からの報告を聞いてから、彼の挙措は落ち着きを失い、表情も堅くなった。
  • 私は彼女の挙措態度や言葉づかいに好感をいだいた。

「挙」と「措」の字義

「挙措」の「」は「こぶし」のほかに「上に上げる」という意味も持っています。また「」には「物を置く」「下に置く」という意味があります。

この2つの漢字を組み合わせた「挙措」には「上げたり下げたりする」という意味が込められています。転じて、「何気なく行っている動作」すなわち「立ち振る舞い」といった意味に派生していったと言われています。

「挙措」の類語・関連表現

挙措端正

挙措端正(きょそたんせい)」とは、「立ち振る舞いや身のこなし方が綺麗に整っていること」を指す言葉です。なお「端正」とは「姿・形や動作などが正しくてきちんとしている様子」や「顔立ちなどが美しく整っている様子」のことを指します。

【使用例】

  • 彼はまさに挙措端正なジェントルマンといえるだろう。

挙措進退

挙措進退(きょそしんたい)」とは、以下の意味を持つ四字熟語です。

  1. 日常のちょっとした動作。
  2. 立ち振る舞い。
  3. 身の処し方。

「挙措」は先述のとおり「上げ下げすること」を指しており、「進退」は「前に進むことと、後ろに退くこと」を意味しています。つまり、同じような言葉を重ねて、意味を強調している表現といえます。

【使用例】
  • ならず者の集まりと言われていたものの、戦闘が始まると彼らの挙止進退はじつに洗練されており、敵将たちの度肝を抜いた。

一挙手一投足

一挙手一投足(いっきょしゅいっとうそく)」とは、以下の意味を持つ言葉です。

  1. こまかな一つ一つの動作や行動。
  2. ちょっとした努力。わずかな労力。

この言葉は中国の唐の時代の儒学者「韓愈(かんゆ)」が、官吏登用試験に落ちた際に知人に送った手紙の一文に由来しています。やや難しい表現ですが、近年ではテレビの実況キャスターなどがこの言葉を口にすることもあります。

【使用例】
  • さぁ、まもなく試合が始まります。選手ひとりひとりの一挙手一投足から、目が離せません!

挙措を失う

挙措を失う(きょそをうしなう)」とは、「取り乱した行いをする」ことを指します。思いがけないアクシデントに見舞われ、立ち振る舞いをどのようにすれば良いのか分からなくなってしまった様子に由来しています。

【使用例】

  • 突然の知らせに、彼は挙措を失ってしまった。


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