「華奢」の意味
「華奢」は、「きゃしゃ」と「かしゃ」という2つの読み方があり、それぞれ意味が異なります。
「きゃしゃ」と読む場合の意味は以下の3つです。
- 姿や形がほっそりとして上品なこと
- 頑丈でないこと、弱々しく感じられること
- 華やかで美しく、風流なこと
「かしゃ」と読む場合、「華やかでおごりたかぶっていること、派手でぜいたくなこと」という意味があります。しかし、現代においてこの意で用いることはまれでしょう。また、どちらの読み方でも「花車」、「香奢」、「香茶」などと表記されることもあります。
「華奢」の使い方
上述の通り「華奢」の読み方は二つありますが、今回は「きゃしゃ」の読みにおける使い方を解説します。
人にも物にも使うことのできる表現ですが、文脈によって意味を判断する必要があります。たとえば「華奢な腕」という表現であれば、それが男性か女性かということでも、意味や印象が大きく異なりますね。
褒め言葉として使うこともできますが、マイナスの意で用いることもありますので注意が必要です。
例文
- 華奢な身体からは想像できないほど、彼女の歌声は力強い。
- 華奢で細い指に、大きなダイヤモンドの指輪が嵌められた。
- 世界中の人々に愛されてきた北欧のこの椅子は、華奢で上品なデザインが特徴です。
- 叔母は華奢なメガネがよく似合う、どこか不思議な雰囲気を漂わせる人だった。
「華奢(きゃしゃ)」の類語
繊細
「繊細(せんさい)」は、「細く美しいこと、感情や感覚が細やかなこと、微妙なこと」という意味です。「華奢」が人や物の見かけを表現するのに対し、「繊細」は見かけだけでなく、人の性質を表すときにも使われます。
【例文】
- 彼は繊細な心の持ち主で、テレビで流れる悲しいニュースにとても心を痛めている。
- 先祖代々、繊細な手仕事が受け継がれてきた。
たおやか
「たおやか」には、「姿・形がほっそりして動きがしなやかなさま、態度や性質がしとやかで上品なさま」という意味があります。古くから日本で使われてきた言葉で、古典にも登場します。
【例文】
- これまで聞いたこともないような、たおやかな声に心が震えた。
- そのたおやかで柔和な表情は、張り詰めた雰囲気を変えた。
もろい
「もろい」は「脆い」と書き、「もとの形や状態がくずれやすい、壊れやすい、はかない、感情に動かされやすい」という意味です。上記の意味2の類語といえるでしょう。
【例文】
- 家の基礎がもろいようで、補強工事を検討している。
- 彼の突然の出現により何ヶ月も前から立てていた計画が、もろくも崩れ去った。
「華奢(きゃしゃ)」の反義語
頑丈
「頑丈(がんじょう)」は、「体が丈夫なさま、物の作りががっしりして強いさま、馬が非常に強健なさま」という意味を持ちます。人、物どちらに対しても使うことのできる言葉です。
【例文】
- 治安の悪さを気にして、ドアに頑丈なカギを取り付けた。
- 強くて頑丈な男友達が、引越しの手伝いに来てくれて助かった。
堅牢
「堅牢(けんろう)」は、「物がしっかりと、壊れにくくできていること、そのさま、堅固」ということを表します。こちらは物に対して使う表現で、人に対して用いることは適切でないでしょう。
【例文】
- 大きくて堅牢な船が港に停泊している。
- その規模と堅牢さが、特徴的なマンションだった。