「葛藤」とは?意味や使い方をご紹介

「心の葛藤(かっとう)に苦しむ」などの表現で目にすることも少なくない葛藤。しかし、あらためてその意味を問われると、困惑してしまうという人も多いのではないでしょうか。そこで、今回は「葛藤」の意味や使い方を例文を交えながら詳しく解説していきます。

目次

  1. 「葛藤」の意味とは?
  2. 「葛藤」を用いた例文
  3. 「葛藤」の関連語とは?
  4. 「葛藤」を英語で表すと?

「葛藤」の意味とは?

「葛藤(かっとう)」には、いくつかの意味が存在しますが、その中でも押さえておくべき主な意味は次の二つです。

  1. (主として)人間同士が対立すること
  2. 心の中の相反する欲求が起こり迷うこと

いずれの意味も、二者が対立しているイメージを思い浮かべれば理解することができます。二つの意味の決定的な違いは、その対立が他人との間で起こるか一人の人間の心の中で起こるかです。この「葛藤」は、組織や国家の内部、そして組織間、国家間などでも使うことができます。

葛藤という言葉を見かけたときに大切なのは、だれとだれ(何と何)がどういったことで対立しているのかを正確に読み取ることです。そうすれば、小説を読むときでも政治経済ニュースを読むときでも、きっと今よりも理解度が高まることでしょう。

どうして「葛」や「藤」なのか?

「葛藤」が、対立を意味するのは前述したとおりです。では、どうして植物である「葛(かずら)」や「藤(ふじ)」の文字が用いられているのでしょうか。

「葛」や「藤」は、いずれもツル性の植物で、成長するにつれてツルがお互いに絡み合っていきます。この様子を人間関係や複雑な感情にたとえて、現在用いられている「葛藤」の意味・用法が生まれました。

「葛藤」を用いた例文

  • 思春期を迎えた息子と父親との葛藤は、どこの家庭にでも見られるものだ。
  • その二か国間の貿易をめぐる葛藤は、しばらく収まりそうにもない。
  • 自分の本来やりたいことと家業を継ぐこととの狭間で、少年はここしばらく葛藤を続けている。

最初と二つめの例文では、考え方や利害の対立が、「葛藤」ということばで端的に表されています。それに対して、三つめの例文で表されているのは、少年の中に潜む心の矛盾です。

「葛藤」の関連語とは?

「葛藤」の類語

  • 軋轢(あつれき):仲が悪くなること。不和
  • 摩擦(まさつ):利害や意見の違いなどから生ずるもめごと
  • 確執(かくしつ):お互いが意見を主張して譲らないこと
  • 不和(ふわ):気持ちに行き違いが生ずること
  • 相克(そうこく):相いれない二者が、互いに勝とうとして争うこと
  • 衝突(しょうとつ):利害や意見の相反する者どうしが争うこと
  • 逡巡(しゅんじゅん):決断をためらい、ぐずぐずとすること

「葛藤」の対義語

  • 協調(きょうちょう):利害の対立する者どうしが力を合わせること
  • 和解(わかい):争いをやめ、仲直りすること
  • 和合(わごう):打ち解けて仲良くすること
  • 即断(そくだん):その場ですぐに決めること
  • 即決(そっけつ):その場ですぐに決めること
  • 直裁(ちょくさい):ただちに採決すること

「葛藤」を英語で表すと?

「葛藤」の英語表現でもっとも一般的なものは「conflict」で、名詞としても一般動詞としても用いることができます。さらに、二者の対立以外に、いわゆる心の葛藤を表現することも可能です。また、「葛藤」以外にも、衝突や矛盾、紛争といった訳語をあてる場合もあります。

「conflict」を用いた例文

  • Those two countries have created a cultural conflict.(その二か国が、文化的葛藤を生み出しまったのだ。)
  • He had a kind of inner conflict.(彼は、ある種の精神的葛藤を抱えていた。)

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