「受け売り」とは?意味や使い方を例文を含めてご紹介

「受け売り」とは、本来は買い付けたものをそのまま他の人に売る、という意味です。しかし、現在では派生した意味で使われる頻度が高く、ネガティブな印象を持つ語句となっています。「受け売り」の意味や使い方について、例文を挙げながら紹介します。

目次

  1. 「受け売り」の意味
  2. 「受け売り」の使い方と例文
  3. 「受け売り」で物を言うと嫌われる?
  4. 「受け売り」の類似表現

「受け売り」の意味

「受け売り」という言葉(うけうり)には、以下の2つの意味があります。

  1. 製造メーカーや卸売店、生産者から買い受けた商品をそのまま他に売る。
  2. 1の意味から派生し、他の人の意見をまるごと自分の考えのように装って言う。

「受け売り」は、受売り、請け売り、請売りとも表記されます。現在では2つめの「他人の意見を自分の考えのように装って言う」という意味で使われることが多いです。

「受け売り」の使い方と例文

1.仕入れた物を他に売る

「受け売り」を使う場合、個人の店舗スーパーやデパートなどの商業施設ショップサイトで、買い入れた物を客に売る際に使います。メーカーや生産者が自ら作った物を直販するケースは「受け売り」に当たりません

【例文】

  • 生産者から仕入れた規格外の野菜を目玉商品にして受け売りする。
  • 卸売業者から購入した食品を店頭で受け売りした。


現在では、「受け売り」ではなく、「売る」、「販売」(意味:商品を売る)、「小売」(意味:仕入れた商品を個人などの最終消費者に売る)などの語句が使われることが多いでしょう。

2.他人の意見を自分の考えのように言う

「受け売り」という言葉は、苦労して自分で身につけた知識ではなく、テレビや雑誌、ネットなどで目にした情報や専門家や有識者の意見を鵜呑みにして、よく考えもせずそのまま自分の意見や考えのように相手に伝えているような印象があるときに用いられます。

「受け売り」をしている人が、自分の意見であるかのように語っていたとしても、その内容が広く知られていたり、特徴のある意見であったりすると、聞き手には誰がどのような媒体で言ったのかすぐに分かってしまします。

そのような場合に、聞き手があきれて批判的に使うというのが、最も一般的な「受け売り」という言葉の使い方です。

【例文】

  • A君はいつもタレントが番組で言っていた意見を、自分が考えたみたいに言うよね。
  • Bさんは、先生の思いつきをそのまま受け売りしているだけだよ。

「受け売り」で物を言うと嫌われる?

学生

(20代)

影響を受けたタレントがテレビで言っていたことをそのまま話したら「あんたは人の受け売りが多いよね。」と言われ、ショックだった。

会社員

(40代)

受け売りばかりの人は、知識人気取りなの?注目されたいか、賢く見せたいか分からないけど、自分で勉強せずに知ったかぶりして底が浅い。

得た情報を「受け売り」で話をする行為は嫌われます。自分で興味を持って学んだり調べたりしたことをしっかりと考えてから、自説を話すなら誰も文句はないでしょう。

しかし、人が言っていたことをそのまま取り入れて自分のことのように話すと、自分の意見がないのにも関わらず知識を自慢している深みのない人間のようにも感じられます。

他人の褌で相撲を取る」、「人の牛蒡で法事する」などのことわざの通り、人の物を使ってあたかも自分が用意したように振る舞うのは、図々しくて無礼な態度です。知識や意見は、目に見えないものですが、人の物を自分勝手に利用する行動と同様でしょう。

影響を受けた人の意見を取り入れるなら、「誰々が言っていた」と情報の出どころや引用元をはっきりとさせた上で、自分がその意見のどこが良いと感じたのかと話を持っていく方が誤解をされにくいでしょう。

「受け売り」の類似表現

使用する機会の多い「他人の意見を自分の考えのように言う」という意味での類語の例を挙げます。

「半可通」・「知ったかぶり」

半可通」(はんかつう)とは、ある物事についていい加減な知識しか持っていないくせに、精通している人のように振る舞うことです。「半可」は未熟な者や中途半端な状態、「通」は物事に通じている人のことを言います。

知ったかぶり」も同様の表現です。「知っているような振りをすること」から来ています。「知ったふり」の間に「か」が入った形です。この形になったのは江戸時代であると言われています。

「受け売り」が人の意見をそのまま話す言動を指すのに対し、「半可通」や「知ったかぶり」は振る舞いなどの行動について言及しています。

【例文】

  • 半可通のくせに、芸術作品の批評をしやがって。
  • 学生でもあなたのような知ったかぶりはしないよ。

道聴塗説

道聴塗説」(どうちょうとせつ)とは、耳にしただけで深く理解していない学問のことや、少し聞きつけて表面上は軽く分かった気になっただけで、他人にその意見や説明をそのまま自分が考えたように話をすることを言います。

出典は『論語』です。「道聴」は道端でたまたま耳にしたこと、「塗説」は道(「塗」という字は通路を表す)でその話を人に説くことを表しています。「受け売り」には、理解していない学問という意味は含まれていません。

【例文】

  • 道聴塗説のように薄っぺらい知識だな。
  • 私の考えをそのまま自説のように発表するなんて、道聴塗説を地で行ってるね。


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