「人の牛蒡で法事する」とは?意味や使い方を由来を含めてご紹介

「人の牛蒡で法事する」というのは、人のずる賢い行動を非難しているのですが、自宅で法事の料理を作る習慣がなくなった現在ではピンとこない慣用句かもしれませんね。「人の牛蒡で法事する」の意味を由来を含めて説明し、使い方や文例、類似の表現も含めて紹介します。

目次

  1. 「人の牛蒡で法事する」の意味
  2. 「人の牛蒡で法事する」使用例
  3. 「人の牛蒡で法事する」の類似の慣用句

「人の牛蒡で法事する」の意味

「人の牛蒡で法事する」(ひとのごぼうでほうじする)とは、他人の物を使って自分がすべき義務を自分がすべてやったように平然として執り行う様子を言います。

「人の牛蒡で法事する」由来

法事やお盆などの仏事で、仏様にお供えする霊供膳(れいこうぜん)や参列したお客へ振る舞う煮物などの精進料理に牛蒡が使われます。

法事を執り行う人が必要な牛蒡などの食材の用意をせず、他の人がわざわざ持ってきてくれた牛蒡で料理を作り、図々しく自分が用意したものとして振る舞う様子に由来している表現です。

「人の牛蒡で法事する」使用例

「人の牛蒡で法事する」には、他人に便乗してちゃっかりと自分の手柄にして図々しくやり終えてしまうというずる賢さを持った人物と批判するニュアンスも含まれているでしょう。

文例

  • 市販の惣菜を移し替えて私の料理とSNSにアップするやり方は、人の牛蒡で法事するような行為だね。
  • 他人の作品を自作の絵と偽って宿題に提出するのは、人の牛蒡で法事するのと同じ。

「人の牛蒡で法事する」の類似の慣用句

人の褌で相撲を取る

人の褌で相撲を取る」(ひとのふんどしですもうをとる)とは、他人の用意したものを利用する、もしくは便乗して自分が利益を得ることを表す言葉です。比較的よく目にする表現ですね。

褌がないのなら相撲を取れないのにもかかわらず、人にわざわざ準備させて使う所から、他人を利用して目的を果たす人に対して使われる表現です。悪賢さを嘲ったり嫌味を言ったりする際に用いられます。「他人の褌で相撲を取る」も同じ意味を表します。

文例「Aさんが準備した資料を使ってスピーチするなんて、人の褌で相撲を取るようなみっともないことをしない方がいいよ。」

舅の物で相婿もてなす

「舅の物で相婿もてなす」(しゅうとのものであいむこもてなす)とは、自分がお金を出さずに人の物を使って相手をおもてなしするちゃっかりとした行動を言う諺です。「相婿」は妻が姉妹同士である夫達で、「舅」は双方の妻の父親を指しています。

妻の父親が用意した宴会などの料理や飲み物を、夫同士で勧め合う様子から作られた慣用句です。「舅の酒で相婿もてなす」とも表記されます。

文例「会社で用意された新年会の料理を、社員が互いにどうぞともてなし合う様子は、舅の物で相婿もてなしているようにも見える。」

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