「二の轍を踏む」とは?意味や使い方をご紹介

「二の轍を踏む」という表現をご存知でしょうか。実は誤用とされる言葉で、似たような表現や意味を持つ言葉が混じってこのような表現になったとされています。この記事では、「二の轍を踏む」について、またそれと間違えられやすい言葉の意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「二の轍を踏む」とは?
  2. 「同じ轍を踏む」とは?
  3. 「二の舞を演じる」とは?
  4. 「二の足を踏む」とは?

「二の轍を踏む」とは?

「二の轍を踏む(にのてつをふむ)」は、正しい表現ではありません。「同じ轍を踏む」という言葉と、「二の舞を演じる」、「二の足を踏む」という言葉が混同されてこのような表現となったようです。

ネットの記事などで使われているのを見かけることがありますが、誤用ですので注意が必要です。

「同じ轍を踏む」とは?

同じ轍を踏む(おなじてつをふむ)」とは、他の人が失敗したことと同じ失敗を繰り返してしまうことを言います。同じ内容で表現が違う、次のような言葉もあります。

  • 前轍を踏む(ぜんてつをふむ)
  • 前車の轍を踏む(ぜんしゃのてつをふむ)
  • 轍を踏む

前に走った車が残した車輪の跡に、後から来た車がはまり込んだり滑ったりして転んでしまう様子から、このようにいわれます。「前の轍を踏む」という表現は誤りです。

「轍」とは?

「轍(てつ)」は、車が通った後に残る車輪の跡のことを言います。「轍」の音読みが「てつ」、訓読みは「わだち」です。「わだち」は「輪立ち(わだち)」からきています。

舗装されていない道の、雨の後のぬかるんだ道や雪道などで目にしたことがある人も多いでしょう。また車輪の跡の意味から転じて、「先例」という意味も持ちます。

「同じ轍を踏む」注意点

「同じ轍を踏む」は、前の人がしてしまった失敗を繰り返すというネガティブな意味で使われる言葉です。成功を繰り返すとか、伝統を継ぐというようなポジティブな意味の言葉ではありません。そのため、使うときには注意したほうが良いでしょう。

また、最初につけられた轍として表現される「前の失敗」は、前人がした失敗であり、自分が過去にした失敗をもう一度繰り返す、という使い方もされません。

「同じ轍を踏む」使い方

  • 今年の文化祭の科学部の展示では、後から反省点がいくつも出てきた。来年後輩たちが僕たちと同じ轍を踏まないよう、反省点を詳細に書き残しておくことにしよう。
  • 大学生になった姉は、サークルやアルバイトに夢中になって試験の成績が落ちてしまい、両親にひどく叱られていた。姉と同じ轍を踏むことにならないように、私はまずは勉強をがんばることにするわ。

「二の舞を演じる」とは?

「二の舞を演じる(にのまいをえんじる)」は、前の人がしてしまった失敗を同じように繰り返す様子を表しています。「同じ轍を踏む」と同じような意味の言葉です。

「二の舞を演じる」というかたちでよく使われますが、「二の舞だ」「二の舞になる」という言い方も見られます。

「二の舞を演じる」使い方

  • この仕事を以前に担当していた人は、自分の意見を持たずに流されるままに仕事をして大きな失敗をしてしまった。君もよく考えて行動しないと、前の人の二の舞を演じることになってしまうよ。
  • ここで経済政策を見直さないと、ひどいインフレに落ち込んだA国の二の舞になりかねない。

「二の舞を演じる」語源

「二の舞を演じる」の「二の舞」は、舞楽で演じられる曲名の一つである「安摩(あま)」の次に演じられる舞です。

「二の舞」の登場人物は「安摩」の舞人をまねて踊ろうとしますがうまくできず、こっけいに踊ります。ここから、「二の舞」が前の人のまねをして失敗するというたとえに使われるようになりました。

「二の舞を演じる」のほかに「二の舞を踏む」という表現を見ることがあります。本来は誤りとされていますが、明治時代の用例もあるため、「二の舞を踏む」を許容する向きもあります。

「二の足を踏む」とは?

「二の足を踏む(にのあしをふむ)」とは、どうするか決断することができないで、ためらい、迷う様子を表す慣用句です。

「二の足」は「二歩目」のことです。一歩目は踏み出したものの、二歩目を踏み出すことができずにためらって足踏みする様子から、このように言われます。

「二の足を踏む」使い方

  • ボーナスが出たので、おいしいと評判のイタリア料理店で彼女にごちそうしようと思ったが、コース料理の値段を見て二の足を踏んでしまった
  • 人混みの中で中学校の時の同級生によく似た人を見かけたが、10年以上会っていないので本人かどうか確信が持てず、声をかけるのに二の足を踏んでいるうちに見失ってしまった。


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