「暗澹」とは?意味や使い方をご紹介

「暗澹」の読み方、皆さんはご存じでしょうか?「あんきょ」や「あんしょう」ではありませんよ。「惨憺」であればご存知でしょうか。ここでは、「暗澹」の読み方や意味を紹介します。さらに、使い方や例文、類語なども合わせて紹介いたします。

目次

  1. 「暗澹」とは
  2. 「暗澹」の使い方
  3. 「暗澹」の類語

「暗澹」とは

「暗澹」「あんたん」と読みます。「暗」は暗いという意味で普段から使われますが、「澹」は日常ではほとんど見かけませんよね。動きのない静かで穏やかなことを表します。

「暗澹」には大きく二種類の意味があります。それぞれ紹介していきましょう。

薄暗い

「暗澹」とは薄暗くて陰鬱な様子です。例えば曇り空。今にも降り出しそうな黒雲が一面に広がった空は「暗澹」と言えます。

ただ物理的に暗いというだけでなく、プラスアルファでアンニュイな、気が滅入るような「すごみ」も伴います。例えば「暗澹たる雲行き」といえば、これからの天候の悪化を予想してぞっとするような気持ちが含まれます。

心情につながる言葉であることから小説の情景描写で使われることも多く、語り手や登場人物の気持ちがこもった主観的な表現といえます。

将来の見通しが悪い

「暗澹」にはもう一つ将来の見通しが悪い、明るい希望を抱けないという意味もあります。もうこの先なんにも良いことなんてない気がする、改善の見込みがないようなうつ状態です。

より良い未来を「明るい未来」や「輝く希望」といいますよね。お先真っ暗な「暗澹」はその正反対です。開けない夜が続くような絶望を言い表しています。

未来とは関係なく今現在に限って憂鬱であるという意味で使われることもありますが、どちらにせよ、つらく悲しい気持ちであることは変わりありません。

「暗澹」の使い方

暗澹たる思い

よくある「暗澹」の使い方がこの「暗澹たる思い」です。この先につらい未来が待っている、置かれている現状の悲惨さゆえに沈んでいる気持ちを表します。「暗澹たる気持ち」や「暗澹とした思い」とも言い換えられます。

【例文】

  • 当座の生活はともかく、この先どうやって生きていくかということを考えると、暗澹とした気持ちになる。
  • 疲弊したメンバーにさらなる仕事を言いつけねばならないとは。暗澹たる思いが込み上げてきた。
  • 暗澹とした気分にさせる、なんとも陰鬱なメロディーが流れてきた。

暗澹とした夜

光のない暗さを表す時も、「暗澹たる」や「暗澹とした」という形が多いです。後につく言葉は夜や闇、冬などがほとんどです。

【例文】

  • 誰が殺人鬼かもしれないという疑心暗鬼に包まれたまま、暗澹とした夜は更けていく。
  • 暗澹たる闇の中で、目玉のような光が二つ見えた。
  • また、この季節がやってきた。暗澹とした冬、この先およそ半年は太陽の光を見ることはないのだ。

「暗澹」の類語

惨憺

「暗澹」によく似た言葉に「惨憺(さんたん)」があります。「惨」という字から予想出来るように、みじめで悲惨、見るに堪えないありさまという意味です。みじめさを伝えたいなら「暗澹」より「惨憺」が適しています。

みじめ、とは見ていられないほど恵まれていないことです。したがって、「惨憺」も当事者以外の観測者が使うことの多い言葉です。自分のことにも使う「暗澹」とはこの点が異なっていますね。

また、「惨憺」には苦心する、努力するという意味もあります。「暗澹」にはこういったプラスの意味はないため、ここでも違いがあります。

暗雲

「暗雲」とは光を通さない真っ黒い雲です。比喩的に、人間関係では緊張や対立の象徴としても用いられ、心の中に垂れこめる暗雲は、不安や憂鬱を表します。

雲のようにもやもやとしてすっきりしない、心の天気が晴れ渡らずにわだかまりが残っているような陰気な気分を表すという意味では「暗澹」と似ており、深い悲しみや未来への不安を表すこともあります。

「暗雲」は「垂れこめる」という形で使うのが一般的です。意見の分かれるところではありますが、「立ち込める」や「漂う」が使われることもあります。

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