「惨憺」の意味とは?
「惨憺」は「さんたん」と読み、「見るも気の毒な、いたましい様子。救いようがないほど悲惨な様子。」という意味です。
「惨」という漢字には「みじめでいたいたしい。むごい」という意味があり、悲惨、惨劇、惨状、などと使われます。「憺」には「心静かに落ち着いている」という意味があり、憺然、憺憺、などと使われます。
「憺」は、「澹」または「淡」と書く場合もあります。
「惨憺たる」ってどういうこと?
「惨憺」は多くの場合、「惨憺たる〇〇」の形で使われます。
「惨憺たる」は「惨憺たり」という形容動詞の連体形です。つまり、「惨憺たる」は「見るも無残なさま。」という意味になり、後には必ず名詞が続きます。「惨憺たる有様」、「惨憺たる成績」、「惨憺たる結末」のように使います。
「苦心惨憺」ってどう使う?
「苦心惨憺」は「何かをしようといろいろ考え、大変に苦労すること。」という意味があります。
- 苦心惨憺の末、レポートを書いたのですが、朝起きたらデータが消えていました。
- 苦心惨憺してやっと契約にこぎつけた。
- これを手に入れるためにどれだけ苦心惨憺したことか。
自分がそのために多くの時間を費やし、大きな労力を注いだことをアピールするときには、是非使いたい言葉です。
他にもある「〇〇惨憺」
「苦心惨憺」は割とよく使われる言葉ですが、「〇〇惨憺」という四字熟語は他にもいろいろとあります。
- 経営惨憺(けいえいさんたん):いろいろなことに苦心し、目的のために悩みながら準備して行動すること。惨憺経営、ともいう。
- 疾痛惨憺(しっつうさんたん):ひどく悩み、心配すること。「疾痛」も「惨憺」も心を痛めるという意味。
- 意匠惨憺(いしょうさんたん):物事に工夫をこらすために、いろいろと苦心すること。
このように見てくると、「惨憺」とは「苦心すること。心配すること。いたましいこと。」という意味だということがよく分かってきますね。
文学作品で使われた「惨憺」の例
文学作品の中でも、「惨憺」はいろいろなところで使われています。いくつかを見てみましょう。
「惨憺」を「さんたん」とは異なる読み方で使う文豪もいました。
「惨憺」の類義語は?英語ではどう言えばいい?
「惨憺」と似たような意味の言葉を挙げてみると、「陰惨」、「悲惨」、「酸鼻」、「過酷」、「目も当てられない」、「凄絶」、「やるせない」、「見るに忍びない」などがあります。
「惨憺」を英語で言う場合には、その状況に応じて"sad", "miserable", "tragic" ,"ugly", "flightful" などを使いましょう。
- この論文のために苦心惨憺した:I took great pains for this essay.
「惨憺」のまとめ
「惨憺」の意味や使い方について、ここまで苦心惨憺の末、紹介してきました。いかがでしょうか。惨憺たる内容となっていなければいいのですが。疾痛惨憺のまとめでした。