「留意」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「留意」は、会話よりも文章で使われることが多い言葉です。説明書やビジネス上の書面などで頻繁に目にしますね。「留意」は字のとおり、意を留めるという意味で、「注意」の類語です。今回は「留意」の意味と使い方を、類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「留意」とは?
  2. 「留意」の使い方
  3. 「留意」の類語
  4. 「留意」と「注意」

「留意」とは?

「留意」の意味を理解するために、まずは「留」と「意」の漢字から解説しましょう。「留」の訓読みは「とどめる・める」。動かないように置いておくという字意があります。そこから派生して、「意識する・記憶する・注意する」という意味が生じました。

一方、「意」は、「意志・気持ち・心」を意味します。すなわち、「留意」とは、ある物事を心に留めて気をつけること・気を配ることです。

「留意」の使い方

「留意」は、文章で用いられることが殆どで、話し言葉として用いられることは稀です。使い方としては、他者に「留意」を求める場合と、書き手自らが「留意」することを伝える場合があります。

【他者に留意を求めるとき】
ほとんどの場合は、「ご留意ください」のような丁寧な言い回しを用います。上司から部下への指示などでは、「留意するように」と書かれることもありますが、あまりないケースです。

【自分が留意するとき】
書き手自身が「留意」する際は、「留意いたします」「留意申し上げます」などの謙譲の意を表するかたちをとります

ビジネスシーンで頻用される言葉ですので、使い方をしっかりと理解しましょう。

「留意」の文例

  • 当イベントのキャンペーングッズの販売は、売切れ次第終了となりますことをご留意ください
  • この製品は藍染めです。洗濯の際には色落ちすることにご留意頂き、他への色移りにお気をつけください。
  • この件が機密事項である点を、くれぐれもご留意お願い申し上げます
  • このたびは、記入法の誤りをご指摘くださり、感謝いたします。今後留意いたします
  • 試合への参加をご了承いただき、ありがとうございました。健康に留意して当日に備えます。

「留意」の類語

介意

「介意(かいい)」は、意に介すること・気にかけることを指す言葉です。意味は「留意」と似ていますね。しかし、「多少の出費は介意しない」のように打ち消しの意を伴って用いられるので、「留意」と同じように使うことはできません。

配慮

配慮」は、心を配ることを表す言葉。「お客様に対する配慮」のように用いられることから、「留意」よりも、注意を向ける範囲が広く、注意するポイントも多岐にわたるニュアンスがあると考えられます。

用心

「用心」は、気をつけることを意味します。「火の用心」「風邪に用心する」のように使われることから、注意・警戒するポイントが限定的である場合に使われることが多いようです。「留意」よりは、警戒度合いが強い言葉と言えるでしょう。

「留意」と「注意」

「注意」も「留意」の類語に挙げられる言葉です。意味もほぼ同じですが、「留意」と「注意」は使い分けた方が良い場合もあります。

「注意」とは

「注」は、「注ぐ」という意味を持つ漢字。「注意」は、基本的に、何かに「心・気持ちを注ぐ」「集中する」ことを指す言葉です。

このほかにも、「注意」は、「気をつける・気を配る」「警戒・用心する」「気をつけるように忠告する」「対象に意識をむける」などの意味を持つことから、緊張度をもって何かに心を注ぐ状態を表す言葉であることがわかります。

「留意」と「注意」の相違点

ここまで説明してきたように、意識を何かに注ぐ「注意」と、意識を心に留める「留意」の差は、気をつけることへの集中度・緊張度の差であるといえます。

文例に見る相違点

【頭上注意】
工事現場で「頭上注意」とある標語は「頭上留意」ではありえません。何かが上から落ちてくるかもしれないときには、「心に留めておく」などと悠長な忠告ではなく、今この場での警戒を促すことが必要だからです。

【健康にご留意の上】
友人への手紙の文末に「健康にはくれぐれもご留意のうえ、よき旅をお楽しみください」と書くことがあるでしょう。これを「注意」と書いてしまうと、旅先での健康にかなり神経を使うイメージになってしまいます。

この場合は、「楽しみに気を取られて、健康をないがしろにしないように」という穏やかな「留意」が適する言葉です。

「注意」と「留意」の使い分け

上記の二例からもご理解頂けるように、「注意」には、危険や悪いことに対して警戒するというニュアンスが含まれます。「注意」は、おもに意識や神経を集中する必要がある場面用いられる言葉です。

一方、「留意」は、心を留めるという基本的な意味からも、「気を配り、気にかけ、忘れないようにする」という持続的なニュアンスがあります。

「注意」と「留意」のどちらを用いても大差ない場合がほとんどですが、その時々で、上記のような使い分けが必要なことを理解しておきましょう。

「注意」の文例

  • 鍾乳洞の中は大変滑りやすくなっています。足元に十分ご注意の上、お進みください。
  • 現在、メキシコのダウンタウンの治安は大変悪化しています。夜間外出においては細心の注意が必要です。
  • 先ほどは書類記入法の誤りをご指摘くださり、感謝いたします。注意を払い、新たな書面を作成いたしましたので、お目通しください。


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