「大体」とは
「大体(だいたい)」の意味は大きく分けて三つあります。それぞれの意味ごとに、使い方や関連語について説明しましょう。
- ほとんど全体に及んでいるさま。
- 大まかに推し量るさま。
- 元はと言えば。
1.「大体」:ほとんど全体に及んでいるさま
「大体」は、ほとんど全体に及んでいるさま、つまり、大多数・たいてい・(細かい部分はさておいて)主要な部分はそうである様子を表します。この意味で用いる場合の「大体」は名詞、または副詞です。
使い方
この意味で用いる「大体」は、全体の総量の大部分を指しており、多くは「ほとんど」と置き換えることができます。
- 文化祭の最後にある後夜祭には大体の生徒が参加する。
- 大体の人はこの事実を知っている。
- この車の修理も大体終わったよ。
類語
この意味の「大体」の類語には、「あらかた(粗方)」「大概(たいがい)」「概ね(おおむね)」などが挙げられます。
- 夏休みの課題がたくさんあったが、あらかた終わらせることができた。
- あの家族は共働き夫婦のため、昼間は大概留守にしている。
- 先日の大きなイベントは概ね予定どうりに進めることができました。
英語表現
この意味の「大体」の英語表現には、almost(ほぼ・大体)、genellaly(一般的に・大抵の場合)などを用いることができるでしょう。
- Almost all the people join this event.(大体全ての人がこのイベントに参加する。)
- He genellaly goes to bed at nine.(彼は大体9時に寝る)
2.「大体」:大まかに推し量るさま
「大体」には、大まかに推し量る、つまり、事柄の本質・物事の要点という意味もあります。この意味で用いる場合の「大体」も名詞、または副詞です。
使い方
1の意味の「大体」に似ていますが、要点をつかむ、ざっくりと物事を捉える様子を表しています。この意味では「大体」を「大まかに」と置き換え可能です。
- あの教授の授業は難しいことばかり言っているが大体の内容は理解できた。
- ここから駅までは大体5分かかります。
- 昨日起きたトラブルの原因を大体把握することができた。
類語
この意味の「大体」の類語としては「ざっと」「おおよそ(大凡・凡そ)」などが挙げられます。口語的には「ざっくりと」とも言いますね。
- ざっと見た所、この提案には何箇所か修正すべき点がある。
- 今回の事件はまだ証拠が揃っていないが、警察は犯人のおおよその目安は立っているようだ。
- この論文は全て英語で書かれているため、完全には分かったわけではないが、ざっくりと理解することはできた。
英語表現
roughly(大雑把に・概略で)、nearly(もう少しで)のような言葉で、この意味の「大体」を表せるでしょう。
- Roughly 1millions people participate in this event every year. (大体100万人の人たちがこのイベントに毎年参加する。)
- Nearly 10 years ago, I met him for the first time. (大体10年前、私は彼と初めて出会った。)
3.「大体」:元はと言えば
また、「大体」は、そもそも・元はと言えばという意味の副詞でもあります。おもに、好ましくない結果が根本にある場合に使う表現です。
使い方
この意味の「大体」は、1や2と違って、否定的な表現を伴って使われます。この意味では「大体」を「そもそも」に置き換えることができます。
- 大体、君がそのようなことを言い出すことがなければこんな事態にはならなかったんだ。
- 大体私は部署が違うんだぞ。急に手伝えと言われても状況がわからないのは仕方ないだろう。
類語
この意味の「大体」の類語は多くありません。意味のところでも説明した「そもそも」や「元はと言えば」が挙げられます。
- そもそもこの問題は小学生に解かせるようなものではなかった。
- 元はと言えばあなたが今日どうしても必要だというから、無理に用意したんですよ。
英語表現
この意味の「大体」の英語表現には、if you look at things from the start(元はと言えば)、anyways(そもそも)などの言い回しを用いることができるでしょう。
- If you look at things from the start it was your fault.(物事を最初から見てみるとあなたのせいです。→大体あなたのせいです。)
- I've anyways hated studying.(私はそもそも勉強が嫌いです。→私は大体勉強が嫌いです。)