「そもそも」の意味と使い方
「そもそも」は、名詞(副詞的な意味も帯びることがある)と接続詞の二つの品詞として用いられる言葉です。
多義的な意味を持ちますが、基本的には、話を最初から説明しなおしたり、切り替えたりする際に用いられる「説き起こし」の言葉です。
漢字では「抑抑」と表記されますが、古来漢文の読み下しに使われた際のなごりにすぎず、「そもそも」と平仮名を用いるのが一般的です。
名詞としての意味と使い方
名詞「そもそも」の意味
- 発端
- 最初
- (ものごとの)始まり
- どだい
名詞「そもそも」の使い方
- 「そもそもは、君が彼女とのデートをドタキャンしたからこその喧嘩だろう?」
- 「そもそもの原因を考えたら、小学生の時に虐められたトラウマだったの」
- 「あのカフェで出会ったのが、そもそもの恋の始まりさ」
- 「君は、そもそもがブルジョワ生活じゃないか」
接続詞としての意味と使い方
接続詞「そもそも」の意味
- いったい
- だいたい
- さて
接続詞「そもそも」の使い方(あらためて話を説き起こす時や、話題を変える時などに用いる)
- 「そもそも、あなたはどうしてここに来たの?」
- 「そのプランって、そもそも人を集める魅力がないと思うんだけど」
- 「そもそも、こんな場所じゃ客はこないよ」
- 「そもそも、もう責めあうのはうんざりなんだよ」
そもそも論
「そもそも」がネガティブな意味で使われる言葉が「そもそも論」です。「そもそも論」とは、対話の議題の発端に遡り、その議論の必要性などを問い直す論法のこと。「そもそも、なぜ~」と問いや主張が始まることから、「そもそも論」と称されます。
このような議論の蒸し返しは、話の前提や土台をひっくり返してしまうことにもつながり、時には、話の本筋からそれて、自分の愚痴などに話題をすり替えてしまう人さえいます。「そもそも論」を頻発すると議論が進みませんので、なるべく控えたいものです。
そもそも論の例
- 「そもそも、この議論って必要なの?なんの意味もないんじゃない?」
- 「そもそも、今月の私の売り上げが悪いのは、商品に魅力がないからですよ。」
- 「締切が20日?そもそも私はこの仕事にもう魅力を感じないんですよ。」
上記のような発言ばかりに終始して、「あの人はそもそも論ばかり」などと後ろ指をさされないように気をつけましょう。
「そもそも」の類語
「そもそも」には、多くの類語があります。例を挙げてみましょう。
- 本来は
- 元をただせば
- 元々
- はなから
- 発端は
- いったい
接続詞的な類語
- それにしても
- ところで
「そもそも」の英語文例
「そもそも」の英語表現と、その文例を紹介いたしましょう。
to begin with | |
文例 | Why did you blame her to bigin with? |
対訳 | そもそも、なんで彼女を責めたんだい? |
in the first place | |
文例 | In the first place, I never wanted to visit him with you. |
対訳 | そもそも、あなたと一緒に彼の家を訪ねたくなんてなかったのよ |
Originally | |
文例 | I was originally going to buy this chair, not that one! |
対訳 | 私は、そもそもあの椅子じゃなくて、こっちの椅子を買うつもりだったのよ! |
Anyway | |
文例 | Anyway,all I wanted to know is a reliable information about her. |
対訳 | そもそも、俺が知りたかったのは、彼女についての信頼できる情報だけだよ |