「冗長」とは?意味や使い方をご紹介

文章を書いている時やコーディングを考えている時に頭をよぎるのが「冗長」という言葉ではないでしょうか。無駄を省いてスマートに書き上げたいところですが、なかなか難しいものです。今回は「冗長」をテーマに意味や使い方、さらには文章によくある冗長表現も紹介します。

目次

  1. 「冗長」の意味
  2. 「冗長」の使い方
  3. 「冗長」の例

「冗長」の意味

辞書的には

「冗長」とは無駄が多くて必要以上に長いことです。あまりにも長すぎるために散漫な印象を与えることを指します。本やwebページを読んでいる時に、「まわりくどいなぁ」「もっと短くまとめてくれないかな?」と感じた経験はありませんか?そういった文章が冗長な文章です。

同様に、「長々と話している割に中身がない」「同じようなことばっかり繰り返し話している」ような話し方も冗長といえます。

IT系では

IT系では「冗長」という言葉が少し異なるニュアンスで使われます。まず、プログラムコードの書き方です。

もっと簡潔に書く方法があるにもかからず複雑に書かれたコードを「冗長なコード」と呼びます。文章と同じですね。具体的には、正規化されていない、タグやインデントがめちゃくちゃである、同じ処理が何度も書かれているコードなどです。

次に、データやシステムの構成です。最低限必要な水準以上に余裕を持たせている設計を「冗長」と呼んでいます。


サーバーは1台あれば済むけれど2台用意しておく、非常用の機器もスタンバイさせておくことなどが例としてあげられます。無駄があるというよりはむしろ保険をかけていると言えますね。

「冗長」の使い方

  • 「彼の文章は相変わらず冗長的でつまらない。調べればわかることを長々と列挙しているだけだ。無駄な部分を削って彼独自の意見を書いてほしい。」
  • 「冗長なコードだと思うけれど、今の私にはこの程度しか書けません。」
  • 「コスパ重視で最小限にとどめると、何かあった時に大変ですよ。冗長性を持たせた方がよろしいかと。」

「冗長」の例

ここではよく見られる冗長の例を紹介します。冗長な文章には次のような特徴があります。

  • 不要な言葉がある。
  • 同じ意味の言葉が繰り返し使われている。
  • 一文が長い。

重複表現

冗長表現の典型例が重複表現です。「頭痛が痛い」のような表現と言えばわかりやすいでしょうか。この場合は「頭が痛い」とした方がすっきりします。

頭痛だけでも痛いことは伝わりますよね?同じ意味の言葉なら一つで十分、複数個あっても無駄なだけです。

単語の繰り返し

反復表現もよく見られる冗長表現の一つです。例を挙げるなら、「冗長という言葉の意味は、無駄が多くて長いという意味である」という文です。

この文では「意味」という言葉が繰り返し使われています。このような同じ単語の繰り返しが反復表現です。

「の」の繰り返し

助詞の繰り返しもよく見られる冗長表現です。特に「の」は繰り返し使用しがちなので注意しましょう。

「昨日の羽生結弦さんの演技のテレビ中継、見た?」という文をどう思いますか?稚拙で幼い印象を受けるのではないでしょうか。

この文を手直しすると、「昨日、テレビで中継されていた羽生結弦さんの演技を見た?」などでしょうか。

「は」と「が」の繰り返し

「の」と同じように注意した方が良い助詞があります。「は」と「が」です。「昨日は私は学校を休みました。」という文には「は」が2回出てきます。

意味は通じますがしっくりこない文章です。「私は昨日学校を休みました。」か「昨日は私が学校を休みました。」の方がリズム感がありますね。

助詞の「は」には主題の提示という役割があります。「私は昨日学校を休みました。」ならこの人は体調大丈夫かな?と心配になりますよね。これも主題が私だからです。

一方、「昨日は私が学校を休みました。」ならテーマは昨日という日になります。昨日は全員出席していたわけではないんだな、と読んだ人は感じるでしょう。

なお、「が」の役割は動作の主体を提示することです。行動しているのは誰かを示します。なので、「が」を使うのは動詞や形容動詞を伴います。

例外的に「は」の代わりに「が」を使うこともありますが、この時は限定の意味に変わります。「さくらんぼが赤い」は他のどの果物でもなく、さくらんぼこそが赤いのだという限定ですね。

まわりくどい表現

二重否定も冗長表現の一つです。「~ではないわけではない」「~しないわけではない」などは違和感を与えます。この表現に意図がない場合は使わない方がよいでしょう。

敬語の「~させていただく」も相手の許可を受けて自分に利益があるシーン以外では、使用を控えた方が良いでしょう。へりくだりすぎていることがほとんどです。また、「~することができる」や「~するものである」なども省略しましょう。


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