「蹉跌」とは?意味や使い方をご紹介

日常生活ではまず見ないであろう「蹉跌」。この言葉の読み方と意味をご存じの方はいらっしゃいますか?小説や映画で見たことある、という方もいるかもしれませんね。今回は「蹉跌」の意味や使い方、類語との比較などを順に紹介していきます。

目次

  1. 「蹉跌」とは
  2. 「蹉跌」の意味
  3. 「蹉跌」の字義
  4. 「蹉跌」の使い方
  5. 「蹉跌」と類語との比較
  6. 『青春の蹉跌』

「蹉跌」とは

「蹉跌」は「さてつ」と読みます。理科の実験で使う砂状の鉄、「砂鉄」と同じ読み方です。アクセントも「砂鉄」と同じく後半につけます。

「蹉跌」の意味

一般的には

「蹉跌」は挫折や失敗という意味の文章語です。取り組んでみたはいいものの、見込みや計画通りに進まなくて行き詰まることを指します。

元々は「つまずく」という意味でした。「つまずく」には、歩いていて足がぶつかったりもつれたりして転びそうになることと、障害が発生して物事が行き詰まることの2種類の意味がありますが、「蹉跌」は前者の意味ではあまり使われません。

大きな失敗といよりは、むしろ後々まで尾を引くような失敗に関して使われます。たとえば、トラウマに近い経験や、当時は気にしていなかったけれど後から響いてくる「小さな傷が命取り」な経験です。

競馬では

「蹉跌」は競馬用語としても使われます。その場合は、走っている馬が何かにつまずいて前のめりになるという意味です。

「蹉跌」の字義

「蹉」という字は「足」と「差」からできています。「足」はもちろん体の一部で、「差」はズレや食い違いがあるという意味です。合わせると、足が食い違う、つまり、つまずくという意味になりますね。

「跌」のつくりは「失」です。「失」はここでは踏み外す、それるという意味です。よって、「跌」は足を踏み外す、つまずくといった意味であると言えますね。

「蹉跌」の使い方

「蹉跌」は会話文ではほとんど使われない文章語です。小説や純文学において時代を演出するために使われることがある程度です。

名詞でも使われますが、動詞でも使われます。その場合は「蹉跌する」や「蹉跌をきたす」の形にされます。

例文

  • どうやら彼ありきの計画だったようで、彼の損失によって事業は蹉跌したようだ。
  • この一見は完璧な彼女の人生にも蹉跌をきたした。
  • これが、私にとって最初の蹉跌だった。

「蹉跌」と類語との比較

挫折

「挫折」と「蹉跌」は読み方も似ていますが、意味もよく似ています。どちらも計画が途中でうまくいかなくなることを表します。

両者の大きな違いは、まず、使用頻度です。「挫折」は文学でも会話文でもよく使う言葉で、新聞や雑誌、さらには漫画やアニメでも見られます。一方、「蹉跌」は滅多に使われません。あえて「蹉跌」を使う理由がないのなら、「挫折」の方がわかりやすいでしょう。

では意味の違いはどうでしょうか。「挫折」は物事が途中で駄目になってしまい、すっかりやる気がくじけてしまうことです。トラブルを乗り越えてでもやろうという気持ちがすっかり折れてしまっています。

「蹉跌」は「つまずき」のことですから、ちょっとした失敗や些細な過失のことです。それ自体では大きな問題ではなさそうなのに、全体でみると大きな問題になるような失敗です。

蹉躓

「蹉跌」に似た言葉に「蹉躓(さち)」というものがあります。「蹉躓」もつまずいたり失敗したりすることを意味する言葉です。

「躓」もつまずくことなので、字義的には大きな違いはないと言えます。そもそも「躓」は「跌」に通じているともいわれているので、「蹉跌」と「蹉躓」は同じ意味の言葉とも言えます。

「蹉躓」は物理的につまずくことや、計画や理想の失敗などに使うことがあります。とはいえ、「蹉跌」よりも知名度のない言葉なので、目にすること自体あまりないでしょう。精神的にくじけることには「蹉跌」の方が好まれます。

『青春の蹉跌』

『青春の蹉跌』は石川達三の著した小説です。司法試験合格を目指す青年、江藤健一郎が大橋登美子と関係を持ちながらも裕福な叔父の娘・康子と婚約し、破滅していく姿を描いた作品です。


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