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「事案」とは?意味や使い方をご紹介

「事案」は「問題となっている事柄」を意味する名詞です。漠然と「事柄」を示す単語は「事例」や「案件」など他にもありますが、それらとの辞書的な意味の違い、使われる文脈の違いを説明します。また、最近特徴的なインターネット上での「事案」の使われ方も紹介します。

目次

  1. 「事案」の意味・用法
  2. 類語「事例」の意味
  3. 類語「案件」の意味
  4. 「事案」を英語で言うと?

「事案」の意味・用法

「事案」の意味

「事案」は、事柄を表す語の一つですが、特に問題となっている事柄を指します。「事件とまでは言えないが、取り立てるに値する事柄」ということです。

もともとは、政治や法律の文脈で使われる固い印象の言葉です。

  • 不審な男による児童付きまといの事案が発生しましたので、注意願います。
  • 大物政治家の贈賄規制違反事案の対応が非難されている。
  • 個人情報漏洩等の事案が発生した場合の対策を立てる。

「事案」のインターネット上での使われ方①

「事案」という語は警察が発表する不審者情報でよく使われます。ただし不審者情報の中には、「女子中学生が路上で男に『駅はどこ?』と声をかけられる事案が発生」といったように、「事案」とするのは大袈裟ではないかと思われるようなものも存在します。

インターネット上では、平凡な出来事を不審とみなし「事案」扱いする事態を揶揄する投稿も数多く見られ、まとめ記事も盛んに作られています。

また、自分がそういった不審者と間違われかねない状況に身を置いてしまったときに、自虐的に「事案」を用いることもあります。

更には、問題とすべきかどうかには頓着せず、単純に「事件」や「出来事」の意味で「事案」を用いている例も見られます。深刻めかして読者の注目を引く目的からくる、誇張表現のひとつと言えます。

  • 「男が早足で歩くという事案が発生」だって!男が可哀そう過ぎる。
  • 楽しみにとっておいたプリンを姉に食べられる事案が発生

「事案」のインターネット上での使われ方②

「事案」として発表される内容は性犯罪に関係するものが多いため、ゲーム上で性的表現が出現したときに「事案発生」と呼ぶ風潮もあります。

類語「事例」の意味

「事例」は前例や実例となる事柄を指します。今現在起こっている事柄か、問題になると思われる事柄を指す「事案」とは、既に起こったか否かの点で全く異なります。

  • これまでの「事例」を元に、対策を考える。
  • 先日の声かけ「事案」については、類似の「事例」を調査した限りでは事件化には繋がらなそうだ。

類語「案件」の意味

「案件」も「問題となっている事柄」を意味しますが、ただの「事柄」ではなく、審議や処理が必要な事柄を指します。「事案」に関しては、問題として認識されている事柄ではありますが、処理の要否は未決の状態です。

また「案件」の場合、話し手にも聞き手にもその事柄に関しては認知されていることも、「事案」と異なる点です。

  • この間の案件、解決できそうですか?
  • これは重要案件なので、関係者全員で協議すべきだ。

「案件」はビジネス用語としてよく使われますが、法律用語では「訴訟事件」を指しますので、文脈に注意して読み取りましょう。

「事案」を英語で言うと?

ただの出来事ではなく、「問題となっている」ニュアンスがきちんと伝わる英語表現は、いくつかあります。

  • case
  • concern
  • at issue

"case"や"concern"は日本語同様、名詞として「問題になっている事柄」として使えます。たとえば、「The case of mistaken identity in the hospital is under investigation.」は「その病院での取り違えの事案については調査中である。」という意味になります。

"at issue"は名詞ではないのですが、"[名詞] at issue"の形で「問題となっている[名詞]」という表現を作れます。

[名詞]には"behavior"「行動」や"item"「項目」、"point"「論点」など、文脈に応じて問題点の特化がなされます。


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