霹靂の意味
「霹靂」は読み方が複数あります。意味は大きくは変わりませんが、ニュアンスが変わるので使い分ける時は気を付けましょう。
へきれき
「霹靂(へきれき)」とは前触れなく突然落ちる雷や雷鳴のことです。雷が落ちることも「霹靂」と呼びますが、雷鳴のように大きな音がすることも「霹靂」と表します。「霹」には雷の神、「靂」には雷という意味があります。
この読み方が最も一般的なので、ここではこの読み方を中心に取り扱います。
はたたがみ
「霹靂」と書いて「はたたがみ」と読むこともあります。夏の季語なので、俳句が好きな人はご存知かもしれませんね。「はたたがみ」とは、はたたく神、つまり雷神様のことです。「はたたく」とは、旗がはたはた揺れる様子や雷が鳴る様子を表します。
かみとけ
「霹靂」は「かみとけ」と読むこともあります。「かみとけ」は「神解け」とも書き、落雷や雷鳴を表します。
霹靂の使い方・例文
使い方
ほとんどの場合、「青天の霹靂(せいてんのへきれき)」という形で使われます。あるいはその省略形で「霹靂」とだけ書かれることもあります。現代での意味は予想外の事態、思いがけない出来事です。元々は感動や天啓などで体中に稲妻が走るような感覚、芸術分野でいう「おりてくる」の意味で使われていたようです。
その他、「霹靂を飛ばす」や「霹靂がする」、「霹靂が刺す」などの使用例があります。
例文
- 私が部長に選ばれるなんて、まさに青天の霹靂だった。
- その瞬間、霹靂を飛ばすように刺激が走った。
- 霹靂一声、会議室の空気が震え上がった。
霹靂のつく四字熟語
霹靂一声
「霹靂一声(へきれきいっせい)」とは雷が落ちるような怒鳴り声のことです。勢い激しく怒られることを「雷が落ちる」と表現しますが、まさにそのことです。
霹靂閃電
「霹靂閃電(へきれきせんでん)」とは勢い激しく、迅速なことです。突然雷が落ちるように、前触れもなく、唐突で素早いことを表します。
霹靂の類語
日雷
「日雷(ひがみなり)」とはよく晴れた日中、雨も降らないのに落ちる雷のことです。日照りの前兆ともいわれ、俳句では夏の季語として使われます。
迅雷
「迅雷」も雷や雷鳴を表す夏の季語です。急に鳴り出すというニュアンスが強く、「疾風迅雷」や「迅雷耳をおおうに暇あらず(じんらいみみをおおうにいとまあらず)」などの言葉にも使われます。「疾風迅雷」は行動が素早いこと、「迅雷耳をおおうに暇あらず」は変化が速すぎて対処できないという意味です。
稲妻
「稲妻(いなずま)」は稲の夫(つま)、稲に実りをもたらすと信じられていた雷です。稲光ともいいます。他の雷関係の言葉に夏の季語が多い中、「稲妻」だけは秋の季語です。「つま」は今でこそ女性のみを指しますが、昔は男性女性問わず配偶者という意味でした。
「稲のつま」なので「いなづま」と書きたくなるのですが、ひらがなでは「いなずま」となります。確かに合成語は「づ」を使うルールがあるのですが、元の形を連想しにくいものについては「ず」を原則として使うというルールになっています。なお、「いなずま」に関しては例外的に「づ」を使って「いなづま」としても良いというルールもあります。