「発起」の意味
発起(ほっき)の意味は以下のとおりです。
- 何人かで企てを始めること
- 思いたつこと、くわだてること
- 菩提心をおこし仏法に帰依すること
「発起」の使い方
たとえば、有名な賞を貰った人や退任する会社役員の祝賀会(慰労会)は、周囲の人たちが企画して開催されます。そうした会に出席したことがあれば、司会の人が「発起人は誰々さんです」と言うのを耳にしたことがあるのではないでしょうか。
この場合の発起の意味は「くわだてること」で、株式会社設立の際に1人以上が必要とされている「発起人」も同じです。
なお「仏法に帰依すること」とは、出家する(お坊さんになる)ことですが、この場合は発起よりも「発心」が用いられるのが一般的です。
「一念発起」とは
発起を含む熟語でよく知られているものに「一念発起」があります。意味は「急に思い立って熱心にすること」「覚悟して仏道に志すこと」です。
英語では、「being resolved to (do something);having a wholehearted intention」と表現されます。
「一念」とは「一心に思い込むこと」で、大きな目標に向かって進んでいくことを決心した時に「一念発起する」と使われます。
NHKの朝ドラで取り上げられた、日清食品の創業者の故・安藤百福さんがインスタントラーメンの開発に取り組んだことも、まさに一念発起と言えるのではないでしょうか。
「発起」の類語と英語
「発起」の類語には「思いたつこと」すなわち「思いつくこと」の派生として「考案する、発明する」といった意義で発想、考案、発企、想到、着想などがあります。
英語では、計画を立てるという意味では「projection」、提案をするという意味では「proposal;suggestion;proposition」、事業を始めるという意味では「promotion」となります。
「発」と「起」の漢文での読み
中国の古典を日本語で読み下す(漢文を読む)際には、場面に応じて以下のように読みが変わります。
【発】
- はなつ
- あらはる
- おこす
- あばく
【起】
- おこす
- おこる
- おこり
- たつ
- おく