「徳」とは?意味や使い方をご紹介

「徳」とは何か。「徳」は古今東西様々な哲学者や宗教家が探求してきたため、多くの意味を持っています。日本では儒教や仏教の意味する「徳」を指すことが多いようですね。今回は宗教・哲学を中心に「徳」の意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 徳とは
  2. 徳の宗教的意味
  3. 徳の哲学的意味
  4. 徳の使い方
  5. 徳のつく慣用句・ことわざ

徳とは

日本で「徳」という場合、仏教的あるいは儒教的な「徳」を指していることがほとんどです。しかし、「徳」はキリスト教や哲学でも重要な概念です。「徳」の主な意味を見ていきましょう。

  • 仏教…仏の恵み。巡り巡って自分に返ってくる善い行い。
  • 儒教…道徳的に優れていること。人間の理想的な人格。
  • キリスト教…七元徳と呼ばれる優れた人間性。
  • プラトン哲学…道徳的な卓越性。学べる知識。
  • アリストテレス哲学…同じく道徳的な卓越性。学習と習慣で獲得される。

徳の宗教的意味

仏教

因果応報という言葉に代表されるようにされるように、仏教ではよいことも悪いことも自分に返って来ると教えます。誰かにしてあげる良いこ、これが「徳」です。

「徳」は「功徳(くどく)」とも呼ばれ、良い心や慈悲など善行につながる性格も指します。特に以下の三つは「三徳」と呼ばれ、重要視されます。

  • …弱者救済を願う。
  • …煩悩を断つ。
  • …仏の知恵。

儒教

孔子の教え、儒教。日本でも広く受け入れられていますね。『論語』や『孟子』は読んだことのある人も多いでしょう。

儒教では「徳」は理想的な人間なら持っているであろう特徴を指します。家族愛や上下関係を重視しているので、人によってはしっくりこないかもしれませんね。具体的には以下の五つです。

  • …思いやり。分け隔てない愛情。
  • …人の歩む道。正義。
  • …人に示す敬意や礼儀。
  • …善悪の正しい判断。
  • …嘘をつかず、信頼されること。

キリスト教

七つの大罪が有名なキリスト教ですが、対になる七つの徳もあります。ギリシア哲学に由来する節制、勇気、知恵、正義の四つと、信仰、希望、愛の三つの合わせて七つです。

ギリシア由来の四つは人間的な四元徳、残りの三つは神への態度の三元徳と分けることもあります。これらすべてを合わせて七元徳といいます。

徳の哲学的意味

プラトン

古代ギリシアの哲学者、プラトン。彼は人間の魂には良い部分と悪い部分があると考えました。良い方が働けば「徳」に、悪い方が働けば「悪徳」になるというわけです。

特に重要な四つの徳を四元徳と呼んで区別しています。この四元徳はキリスト教にも受け継がれています。

  • 節制…欲望が正しく働いたもの。悪に傾くと放埓。
  • 勇気…気がが正しく働いたもの。悪に傾くと臆病。
  • 知恵…理性が正しく働いたもの。悪に傾くと無知。
  • 正義…節制、勇気、知恵のバランスが取れて現れる「徳」。

アリストテレス

古代ギリシアの哲学者、アリストテレスもまた「徳」について考察しました。彼は特に「中庸」を重視し、行き過ぎも足りなさ過ぎもどちらも「徳」から遠ざかると考えています。この考えでは、「徳」とは極端なことをしないバランスの良さといえるでしょう。

徳の使い方

このように様々な意味を持つ「徳」ですが、仏教・儒教の影響が強い日本では人のために尽くすことや理想的な人格を指すことがほとんどです。「徳の高い人」であれば倫理的に優れた人物です。「徳を積む」なら善行を行うことです。

徳の例文

  • あのお坊さんは長い修行で徳を積んだそうだ。
  • 背徳的な映画を見て影響されないか心配だ。
  • 彼は高徳の士として尊敬されている。

徳のつく慣用句・ことわざ

徳をもって怨みに報いる

「徳をもって怨みに報いる」とは恨んでいる相手に憎しみを向けず、施しをすることです。『論語』の言葉で、「恩をもって怨みに報ず」ともいいます。怨みのある相手にもあたたかい態度で接するべきで、復讐をすべきではない、という意味です。

徳弧ならず必ず隣あり

「徳弧ならず必ず隣あり」は「とくこならずかならずとなりあり」と読みます。意味は人格者の所には徳を慕って人が多く集まってくるということです。こちらも『論語』の言葉です。

徳とする

「徳とする」とは、ありがたいものとして感謝することです。「祖父の言葉を徳とする」のように使います。


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