「わかりみ」とは?意味や使い方をご紹介

「わかりみ」とは何のことだかご存知ですか?SNSなどでは、若者を中心に「わかりみ」やその他の「◯◯み」という表現が頻繁に使われています。そこで今回は「わかりみ」の意味や使い方を、その他の「◯◯み」と合わせてご紹介していきます。

目次

  1. 「わかりみ」の意味
  2. 「わかりみ」の使い方
  3. その他の「◯◯み」
  4. 「わかりみ」の意味や使い方まとめ

「わかりみ」の意味

「わかりみ」とは、「分かる」「分かった」という理解や共感を示す言葉です

SNSなどで主に若者が使う言葉で、末尾の「み」は「ありがたみ」「おもしろみ」などの「み」と同じと考えられます。漢字をあてるなら「味」です。

従来、形容詞の後に「味(み)」や「さ」が付くと名詞になります

(例)有り難い→有り難味/有り難さ
   面白い→面白味/面白さ
   凄い→凄味/凄さ

最近使われ始めた、従来には無い「◯◯み」という言葉の発端は「バブみ」だったようです。2016年頃からTwitterを中心に使われ、広まりました。

接尾語を付けるタイプの若者言葉は次々と生み出され、少し前は「〇〇たん」(例:つらたん=辛い)や、「〇〇ぽよ」(例:あげぽよ=アゲアゲの状態、テンションが上がっている)などが流行っていました。

「わかりみ」は「わかる」という動詞に「み」が付いているのでイレギュラーに感じますが、「分かり易い」という形容詞に「分かった(理解)」「分かる(共感)」の意味を含めたと考えれば、この法則に当てはめられそうです。

SNS上の短い言葉では、ともすると上から目線のように感じる、「分かった!」「分かるよ!」という断定を曖昧にすることで、より相手に寄り添って自分の気持ちを示す表現とも考えられますが、単に仲間内で通じる言葉を使った方が相手を近く感じられるという理由で生まれた表現かもしれません。

「わかりみ」の使い方

「わかりみ」だけで

「わかりみ」だけ単体で使う場合は、「わかるわかる」「わかるわぁ」のように共感を示したり、「わかった」「了解した」のような理解や確認を示す相槌になります。

(例1)
A「あの客文句ばっかでめんどくさい!」
B「わかりみ〜

(例2)
A「明日10時に迎えに行くね」
B「わかりみ

「ある」「強い」「深い」「すごい」

「わかりみ」に限らず、最近の「◯◯み」という言葉は、次のような組み合わせで使われることが多いです。何かと組み合わせることで、「◯◯み」のレベルを表現していますが、レベルに決まりごとあるわけではなく、その場のノリで使い分けるようです。
 

  • 「◯◯がある」=「ちょっと◯◯」「◯◯な気がする」
「わかりみがある」は、「ちょっと分かり易い」「分かる気がする」のように理解や同意をやや弱めた表現です。

(例)「A先生の授業はわかりみがある
 
  • 「◯◯が強い」「◯◯が深い」=「とても◯◯」「めっちゃ◯◯」
「わかりみが強い」「わかりみが深い」は、「とてもよく分かる」「めっちゃ分かる」のように強い理解や同意を示します。

(例)「このツイート、わかりみが深すぎてファボった」
 
  • 「◯◯がすごい」=「衝撃的に◯◯」「◯◯すぎてビックリする」
「わかりみがすごい」は、「衝撃的によく分かる」「分かりすぎてビックリする」のようにかなり強い理解や同意を表現しています。

(例)「わかりみがすごい歌詞だね」
 
  • 「◯◯しかない」=「◯◯すぎて他の感想が出てくる余地が無い」「異論がないくらい◯◯」
「わかりみしかない」は、「分かりすぎて他の感想が出てくる余地が無い」「異論がないくらいよく分かる」のように、強烈な理解や同意を表しています。

(例)「Aちゃんの言うことはわかりみしかない

その他の「◯◯み」

その他の「◯◯み」

SNSを中心に、「わかりみ」だけでなく、様々な「◯◯み」が使われています。
 

  • 「バブみ」=「年下の女子から(自分が幼児退行そうなくらい)強い母性を感じること」
  • 「やばみ」=「ヤバさ」「まずい事態」
  • 「つらみ」=「辛さ」「しんどさ」
  • 「やさしみ」=「優しさ」
  • 「ねむみ」=「眠たさ」
  • 「うれしみ」=「嬉しさ」
  • 「きもみ」=「気持ち悪さ」「キモいこと」
  • 「良さみ」=「良さ」「良さ気に思えること」

「バブみ」については、「バブ」は既存の形容詞ではありませんが、赤ちゃんぽい様子(自分が赤ちゃん返りしてしまう様)を表す言葉です。また、「良さみ」は変則的な変化ですが、「良い」に「み」を付けて「いいみ」にすると分かりにくいので「良さみ」となったと考えられます。

夏目漱石が使った「◯◯み」

ツイッターでも話題になりましたが、夏目漱石も「◯◯み」という表現を使っていました。 漱石の造語というわけではなさそうですが、結果的に、かの文豪と現代の若者が同じような言葉のチョイスをしたというのは興味深いことです。

下に引用したのは、夏目漱石『道草』の冒頭部分です。ご覧のように「淋し味」という言葉が使われています。

健三けんぞうが遠い所から帰って来て駒込こまごめの奥に世帯しょたいを持ったのは東京を出てから何年目になるだろう。彼は故郷の土を踏む珍らしさのうちに一種の淋(さび)し味(み)さえ感じた。

この「淋し味」は、夏目漱石『こころ』でも使われており、「先生」が「私」に言った一節にも「淋しみ」という単語が登場します。

「かつてはその人の膝ひざの前に跪ひざまずいたという記憶が、今度はその人の頭の上に足を載のせさせようとするのです。私は未来の侮辱を受けないために、今の尊敬を斥しりぞけたいと思うのです。私は今より一層淋さびしい未来の私を我慢する代りに、淋しい今の私を我慢したいのです。自由と独立と己おのれとに充みちた現代に生れた我々は、その犠牲としてみんなこの淋しみを味わわなくてはならないでしょう」

「わかりみ」の意味や使い方まとめ

「わかりみ」は、理解や共感を表す言葉で、「分かる」「分かった」という意味です。SNSを中心に使われている言葉で、他にも沢山の「◯◯み」という言葉が使われていて、「ありがたみ」「おもしろみ」のように従来から使われている「形容詞+み」の名詞と同じように考えれば受け入れ易いでしょう。

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