「提灯」とは?意味や使い方を英語表現も含めてご紹介

「提灯」、何と読むかご存じでしょうか?最近目にする機会が少ない言葉ですから、わからない方も多いかも知れませんね。読み方のわかった方に第二問、「提灯」を英語では何と言うかご存じでしょうか?今回は、「提灯」という言葉について、慣用句や英語表現も含めてご紹介します。

目次

  1. 「提灯」とは?
  2. 「提灯」を用いた慣用表現
  3. 「提灯」の英語表現

「提灯」とは?

「提灯」は「ちょうちん」と読みます。「ろうそくを中にともす、折りたたみのきく(携帯用の)照明具」を指す言葉です。

「提灯」の字義

「提灯」という言葉を構成する漢字について、少し触れておきます。「提」は、「テイ」という音読みと「さ-げる」という訓読みを持つ漢字です。以下のような意味を持ちます。

  1. 手にさげて持つ。(提琴・提携)
  2. 差し出す。持ち出す。(提案・提起・提供・提言)
  3. 先に立って引き連れる。(提督)

「灯」の音読みは「トウ」、訓読みは「ひ」です。「ともしび、あかり」という意味を持ちます。「提灯(ちょうちん)」の「チン」は唐音です。

「提灯」の意味は漢字を見れば明らかですね。「手に提げて持つようになっている灯り」で提灯となります。

「提灯」を用いた慣用表現

生活に密着したものであったためか、「提灯」という言葉を使ったことわざや慣用表現はたくさんあります。そのうちのいくつかを挙げてみましょう。

「提灯に釣り鐘」

提灯も釣り鐘も、「ぶら下げられている」という点では同じなのですが、重さがまったく異なりますね。このことから、「つり合いがとれない」ことのたとえとして「提灯に釣り鐘」という言葉が用いられるようになりました。

もともとは、提灯と釣り鐘では「片方(釣り鐘)だけが重い」ことから「片思い」との洒落で(身分などの)つり合いの取れない恋愛を指す言葉でした。現在ではもう少し広い意味で、「不釣り合いなもの」全般を表すのに用いられています。

「提灯持ち」

時代劇などで見たことがある人も多いかも知れませんが、提灯は夜道を歩く集団の全員が持つようなものではありません。多くの場合、提灯を持って集団の先頭を歩いて視界を確保する役割の人が存在しました。

そういった人のことを表す言葉が「提灯持ち」です。転じて、「他の宣伝や手先に使われる人(こと)」を表現するのにも、「提灯持ち」という言葉が使われるようになりました。

「提灯記事」

「提灯持ちが書いた記事」が「提灯記事」です。特定の個人や団体について、実際よりもよく見えるように書いた記事のことを指す言葉です。

いわゆる「ステルスマーケティング」の一形態と言えますね。多くの場合、こういった記事が書かれる背景には、金銭の授受が存在します。

その他

「提灯」を用いた表現には、他に以下のようなものがあります。「提灯で餅を搗く」は『東海道中膝栗毛』などにも見られる表現です。

  • 提灯屋:筆で字を書く際、一度書いた字の上をさらになぞって形を整えること。
  • 提灯で餅を搗く(ちょうちんでもちをつく):思うようにいかないことのたとえ。
  • 提灯程の火が降る:ひどく貧乏なことのたとえ。

「提灯」の英語表現

「提灯」を英訳すると"a (paper) lantern"となります。"lantern"=「ランタン」とは、「角形でガラス張りの手提げランプ」のことです。

【例文】He iit a lantern.(彼は提灯に火を入れた)

「提灯」の慣用表現を英語で

「提灯」を用いた慣用表現を英訳してみます。当然のことですが、"lantern"という単語が直接用いられることはありません。

  • Jack and Betty are so-called an ill-matched couple.(ジャックとベティは、いわば提灯に釣り鐘だね)
  • He is always singng the praises of his superiors.(彼はいつも上司の提灯持ちをする)
  • The newspaper gave her work a good erite-up.(その新聞は彼女の作品の提灯記事を書いた)


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