「増殖」とは?意味や使い方を英語表現も含めてご紹介

「増殖」(ぞうしょく)と聞くと、どんなイメージでしょうか。「細胞が増殖する」といった使い方を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、この「増殖」を英語ではどう言ったらよいでしょうか?ここでは、「増殖」の意味や使い方を英語表現も含めてご紹介します。

目次

  1. 「増殖」とは?
  2. 「増殖」の使い方
  3. 「増殖」の英語表現

「増殖」とは?

「増殖」(ぞうしょく)とは、「ふえて多くなること、ふやして多くすること」という意味の言葉です。また、生物学的な用語として、「生物の個体や細胞などが数を増す現象」という意味もあります。

「増」と「殖」は、どちらも「ふえる」「数が多くなる」「かさがます」の意味があります。ただ、「殖」の字は、「利殖」などのようにお金が大きくなる意、あるいは「繁殖」のように生物が増える意に使われます。

「増殖」の使い方

「増殖」は、「ふえること」全般について使うことができますが、「殖」の字がついていることからもわかるように、何か生物的なものが自己複製的に(生物が子どもを産んでふえるように)多くなる、といった現象に偏って使われる傾向があります。

ただし、ただ「生物がふえる」という場合には「生殖」や「繁殖」といった言葉もあるため、「増殖」はやはり「(数が)ふえること」に重点を置いているという点をわきまえましょう。

「ウイルスが増殖する」「がん細胞が増殖する」などのように、ミクロなレベルでは「生物学的な増加」が顕著であるため、「増殖」という言葉をあてはめるのにぴったりです。他に、「悪意が増殖する」のように比喩的な使い方も可能です。

ゼロからは「増殖」しない

生物の繁殖がそうであるように、ゼロから、あるいは何もないところから「増殖」は起こりません。あくまでも、何か元になるものがあり、それが数的にどんどんふえていく様子を「増殖」と言います。

例文

  • 細菌は、生育に適した環境と、ほんのちょっとした栄養(えさ)さえあれば、あっという間に増殖する。
  • 野良猫は、年に複数回妊娠することもあり、一度に産む子の数も多いため、放っておくとあっという間に増殖してしまいます。
  • 自らを資本としてひたすら増殖していくという特徴は、生物にも、資本主義社会にも通じるところがある。
  • 何の情報も得られない中、孤立した集落では、人々のあいだで不安が増殖していった。

「増殖」の英語表現

「増殖(する)」を英語で言いたい場合には、以下のように複数の単語候補があります。

  • propagate(繁殖させる、遺伝させる)※やや形式的
  • breed(子を産む、繁殖する、~の原因になる)
  • multiply(増加する、繁殖する)
  • increase(増す、増大する、強める、増進する、繁殖する)
  • grow(成長する、増す、発達・発展する)

生物の繁殖や、その繁殖力にたとえて「増殖」と言う場合には「propagate」や「breed」、数が増える、複数化するというニュアンスなら「multiply」「increase」、何かが育っていくイメージであれば「grow」と使い分ければ良いでしょう。

例文

  • Rats propagate themselves in the blink of an eye.(ネズミは瞬く間に増殖〔繁殖〕する。)
  • This land breeds epidemics.(この土地は伝染病を増殖させている。)
  • While I took a short break, the number of tasks to be done increased.(ちょっと休んだ間に、やるべき仕事が増殖〔増加〕している。)
  • In this forest, these red worms are multiplying explosively.(この森では、この赤い虫が爆発的に増殖しています。)
  • Under the oppressive regime, fear of the king is growing among the citizens.(圧政の下、市民たちの間に国王への恐怖が増殖している。)


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