「快刀乱麻」とは?意味や使い方を由来を含めてご紹介

「さっきの君の発言は快刀乱麻(かいとうらんま)だったよ」これ、褒め言葉でしょうか?それとも非難?気になる方は本記事必見!今さら聞けない「快刀乱麻」の意味や使い方はもちろん、由来となった故事や類語にいたるまで詳しく解説いたします。

目次

  1. 「快刀乱麻」の意味
  2. 「快刀乱麻」の使い方
  3. 「快刀乱麻」の由来
  4. 文宣帝紀の元ネタ「ゴルディアスの結び目」
  5. 「快刀乱麻」の類語

「快刀乱麻」の意味

「快刀乱麻」とは「快刀乱麻を断つ(かいとうらんまをたつ)」が省略された言葉です。「快刀」とは「よく切れる刀」のこと。「乱麻」は「もつれた麻糸」を指しており、「快刀乱麻を断つ」といえば「快刀ですっぱりともつれた麻糸を切るように、解決の糸口を見失った出来事を手際よく処理する」という意味になります。

「快刀乱麻」の使い方

「快刀乱麻」はたとえですが、成句となった時点で「快刀により乱麻を断つ“ように”物事を処理する」という意味になるので、「快刀乱麻のように」「快刀乱麻のごとく」とする必要はありません。

例えば「快刀乱麻を断ったのはA君だった」「あの新人の働きはまさに快刀乱麻だ」などとしても、十分意味は通じます。

「快刀乱麻」の由来

「快刀乱麻」の出典は、中国の歴史書『北斉書』の文宣帝紀とされています。北斉とは、南北朝時代の中国に実在した国のことです。その礎を築いた高歓(こうかん)は、息子たちを試すためにある日こんな問題を出しました。「息子たちよ、ここに絡まりもつれた麻がある。これを各々でなんとかしてみせよ」

それぞれ乱麻を受け取った息子たちは、どうにかしてそれをほどこうと四苦八苦します。すると次男だけが抜刀し、絡まったままの麻を一刀両断してこう言いました。「父上、乱れたものは斬らねばなりません」

この次男こそが、後に北斉を建国し文宣帝と諡(おくりな)される高洋(こうよう)だったのです。これが由来となって「快刀乱麻を断つ」という言葉が生まれたと言われています。

文宣帝紀の元ネタ「ゴルディアスの結び目」

「快刀乱麻」の由来についてはおわかりいただけたかと思いますが、その元となった故事をもう少し掘り下げてみましょう。実は、この文宣帝紀に記された逸話には元ネタがあると言われています。それは古代トルコの伝説でこんなお話です。

王都ゴルディオンを立てたゴルディアス王は、あるときミズキを編んだ丈夫な紐を柱にしっかりと結びつけ「この結び目をほどくことが出来た者こそ、アジアの王になるだろう」と予言しました。「ゴルディアスの結び目」と称されたこの結び目にさまざまな人間が挑みましたが、何人たりともほどくことは出来ません。

数百年の後、アレクサンドロス大王の名で知られるアレクサンドロス3世がこの地を訪れ、噂に聞いたゴルディアスの結び目をほどこうと試みました。しかしやはり解くことはできなかったので、剣で結び目を両断しました。その瞬間雷鳴が轟き、ゴルディアス王の予言のとおり、その後アレクサンドロス3世はアジアの支配者となったのです。

この伝説が元となって、「ゴルディアスの結び目」は「難題」という意味で使用されるようになりました。また英語で「cut the Gordian knot」と言えば、まさに日本で言うところの「快刀乱麻を断つ」の意味になります。

「快刀乱麻」の類語

「快刀乱麻」の類語には「一刀両断」や「迅速果断(じんそくかだん)」が挙げられます。

「一刀両断」には一太刀で真っ二つにするという以外に、「断固たる処置をする」「速やかに決断する」といった意味があります。「迅速果断」は「速やかに決断し、大胆に行動する」という意味の四字熟語です。また「疾風迅雷(しっぷうじんらい)」も「素早い行動」という意味があります。

いずれも意味は似ていますが、ニュアンスが微妙に違うので注意してください。「快刀乱麻を断つ」は「誰も思いつかなかったような方法で鮮やかに問題を解決する」というニュアンスです。これに対し「一刀両断」は「細かいことは気にせず、思い切りよく対処する」という意味合いが強く、クレバーさよりも豪胆さが強調されます。

「迅速果断」は「判断力・決断力に富む行動」というニュアンスで使用しますが、問題を解決するという意味は含まれません。「疾風迅雷」は「決断を下したあとの行動の素早さ」を表す言葉で、やはりこちらも問題を解決するという意味にはなりません。

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