「決める」の意味
「決める」という言葉は日常のいろんな場面で使います。「決定する」の意味で「決める」を使うことが多いのですが、他にもたくさんの意味があります。
- 定かでないことをはっきりさせること
- 思い込んで疑わないこと
- とがめること
- 相撲や柔道で技を効果的に用いること
- 歌舞伎や踊りで一区切りつけるときにする型
- 格好をきちんとすること
「決める」の使い方と類語
「決める」は「○○を決める」のように動詞として使います。○○には名詞が入ることが多く、その言葉が、「決める」の意味が1~6のどれなのかを定めると言えるでしょう。
意味3「とがめること」は、現代ではあまり使われないため、意味3を除いた使い方を紹介します。
意味1での使い方
意味1:「定かではないことをはっきりさせる」は、「決める」で最も多く使われる意味です。日常生活で「日程を決める」「席順を決める」「時間を決める」のように頻繁に使われます。○○には、主に時間や目的など、まだ定まっていないことが入ります。
【例文】
- 今日の会議で今後の方針を決める
- 合宿の内容で代表を決める
意味2での使い方
意味2:思い込んで疑わないことは、「~と決めつける」「~と決めてかかる」のように使います。一方的に自分の考えを押し付けるといったニュアンスが含まれ、いい意味で使われることの少ない言葉です。
【例文】
- クラスで盗難騒ぎがあったとき、先生は私が犯人だと最初から決めていたようだ
- 仕事が終わらない原因が私にあると決めつけている
意味4での使い方
相撲や柔道を嗜んでいる人はピンとくるかもしれませんが、相手の腕を抱え込んで動きを封じることを「関節を決める」といいます。相撲ではこれを「閂(かんぬき)」と呼び、関節を決めた状態で土俵から押し出す「極めだし」という決まり手があります。
【例文】
- 関節を決めて、完全に相手の動きを封じた
- 関節を決めたまま土俵から転がり落ちた
意味5での使い方
「この桜吹雪、散らせるもんなら散らしてみろぃ」で有名な遠山の金さんですが、片肌を出した決めポーズは真似する人が続出しました。歌舞伎や劇内では区切りをつけるときにポーズを「決める」ことが習わしになっています。
このことから「決める」には「きちんと型のついたものにする」という意味もあるわけです。
【例文】
- 舞台の中央でポーズを決めた
意味6での使い方
身なりや格好をきちんとすることも、「決める」と言います。大切な事柄に挑むときに完成度を高くしておくというニュアンスがあります。
【例文】
- 卒業式は赤のネクタイで決める
- 今日の服装、決まってるね
「決める」の類語
- 定める…決めること。特に公的に決めること(例文:お酒は20歳になってからと法律で定められている)
- 決定(けってい)…しっかりと決めること(例文:決勝戦は来週の土曜日に決定した)
- 選定(せんてい)…多くの中から選び、決めること(例文:彼は100人を超える志願者の中から選定された)
- 判断(はんだん)…ある事柄について自分の考えを決めること(例文:監督は投手の交代が必要だと判断した)
- 断定(だんてい)…はっきりと判断をくだすこと(例文:今日の遠足は延期と断定された)
- 独断(どくだん)…自分1人の考えで決めること(例文:私の独断で体育の授業はマラソンをすることにします)
「決める」の英語表現
「決める」を英語にする場合、いくつかの単語が使えます。
- decide(decide uponは固い言い回しで使う)
- choose
- select
- determine
- make up one's mind(決心する)
【例文1】
- I ate what I like yesterday, so you can decide tonight's dinner.
- 訳:昨日は私の好きなものを食べたから、今日の夕食はあなたが決めていいよ。
【例文2】
- Don't worry about us, just follow the path you have decided.
- 訳:私たちのことは気にしないで、あなたが決めた道を歩んでください。