「飄々」の意味とは
「飄々」(ひょうひょう)の意味は、以下の3つです。
- 風が吹く様子
- 足がふらつく・あてもなく行くさま
- 世間離れした性格
「飄」の字義には、旋風(つむじかぜ)、風に吹かれて翻る(ひるがえ-る)などがあります。もともとは風が吹くことを表すところから、他の意味が派生したようです。
「飄々」の使い方と例文
「飄々」は現代語において、話し言葉でも書き言葉でも、3種類の意味のうち3つめ「世間離れした性格」を表す意味で使われることが多いです。
1.風が吹く様子
風が吹く様子を「ひょうひょう」と音で表す場合があります。また、紙や布などの薄いもの、葉や花、煙などの軽いものが風に吹かれて揺れ動いたり、裏や表に向きを変えながらひらひらとなびいたりするさまを描写する際に使う場合もあります。
【例文】
- 耳元で飄々と風が鳴っている。
- 校庭の国旗が飄々とはためいている。
- 庭のバラが飄々と揺れ、散ってしまわないかと心配になる。
2.足がふらつく・あてもなく行くさま
風が吹いて軽いものなどがおぼつかなく揺れる様子から転じて、「飄々」で歩みを進める足元がふらつく様子を表す例も。また、人や乗り物などがあてもなく(フラフラと)行くことに例えて使うこともあります。
【例文】
- お酒に酔っているのだろうか?飄々とした足取りで夜道を歩いている人がいる。
- 妻に家を追い出されて行く所もなく飄々と彷徨い、24時間営業の喫茶店に入った。
- 行く先を決めずに飄々と車を走らせる。
3.世間離れした性格
「飄々」という語は、物が風になびいている様子に例えて、何があっても柳に風と受け流せるような世間離れした性格、とらえどころがない人を指すことも。「飄々とした性格」「飄々とした人」のように使われます。
飄々とした人に対し、しがらみに囚われずに人と付き合える性格で良い、もしくは羨ましいと感じる方もいます。その一方で、何もこだわりがなく世間一般に配慮する様子がないような印象を受け、苦手に感じる方もいるようです。
【例文】
- 誰にでも忖度せず超然としているような、飄々とした性格に憧れる。
- あの後輩はミスをした後、こちらが気遣ってもなんとも感じていないように飄々としている。
- 飄々とした芸能人と言えば、タモリさんやカズレーザーさんのような人かな?
「飄々」の類語
「風が吹く様子」の類語:そよぐ
「そよぐ」(漢字表記:戦ぐ)とは、草木などがほのかな風に吹かれて揺れたり、その動きでかすかな音を立てたりするさまをいいます。また、風が吹く様子自体を表すこともあります。
「飄々」とよく似た意味の言葉ですが、「そよぐ」を使う場合は、かすかな風を描写することもしばしば。一方、「飄々」の場合は、風が吹くといってもどの程度かは言及していません。
【例文】
- コスモスが風にそよいで気持ちよさそうに揺れている。
- 稲の穂が風にそよぐ。
「足がふらつく・あてもなく行く」の類語:千鳥足・彷徨う
「千鳥足」(ちどりあし)とは、鳥の「ちどり」の左右に踏み違えて歩く足取りに例えて、酔っ払った人がふらふらとした足取りで歩くことをいいます。「飄々」と似ていますが、酒に酔った場合以外の歩き方にも使えます。
「彷徨う」(さまよ-う)は、あてもなく歩き回ることです。「飄々」のあてもなく行く意味とよく似ています。他に、一つの所にとどまらずにあちらこちらへと動く、心がある一定の状態に定まらないことも表せます。
【例文】
- 会社の送別会から帰ってきたお父さんは、酔いが回ってすっかり千鳥足だった。
- 紛争に巻き込まれて彷徨う流浪の民の姿をテレビで見て、非常に気の毒になる。
「世間離れした性格」の類語:超然
「超然」(ちょうぜん)は、物事にこだわりを持たず、平然とした様子でいるさまを表します。「超」はかけ離れていること、「然」は名詞の後について、そのような様子であるという意味です。
「飄々」のような世間離れした性格や様子などを表す場合は、「超然とした性格」「超然とした人」といったように使います。
【例文】
- 上司は超然とした人で、社内の人に肩入れしすぎない付き合いをしているので気が楽だ。
- 先輩は超然とした態度でいるため、クレーマーが直接来社しても動じない。