「針小棒大」の意味とは?
「針小棒大」(しんしょうぼうだい)は、ちょっとした物事を誇張するようにオーバーに言うという意味の四字熟語です。針のような小さな物のことを棒のように大きい物だと言うことから来ています。
「針小棒大」の使い方
「針小棒大」を使うのは、ある人が物事について大袈裟に言う場面です。話を誇張して人に伝えるクセのある人、話に尾ひれを付けて言いふらす行為などの場面を例に挙げて、「針小棒大」を使うケースごとに紹介します。
「針小棒大」を使う場面:1.話を誇張して伝えるクセがある
話を誇張するような人は、普段から大袈裟に話す、もしくは、罪のない笑い話のようにオーバーに言うケースが見られるようです。その人が「針小棒大」なことを言うと周囲がよく知っている場合、特にトラブルを起こす心配も少ないでしょう。
「あの人は針小棒大な話が好きだから」と人に呆れられたり、笑って済ませられたりすることもしばしばでしょう。ただし、あまり親しくない方は困惑するかもしれませんね。
【例文】
- 全く、彼女の話は針小棒大!ひどい怪我をしたって言うから心配したら、擦り傷だったんだよ。
- 大漁だった?いわし2匹だけでしょ?もう、相変わらず、針小棒大なんだから。
- 彼はテレビに出演したと言いはるが、真相は、番組のロケを見物していてたまたまカメラの中に収まっただけ。まさに針小棒大だね。
「針小棒大」を使う場面:2.話に尾ひれを付けて言いふらす
「針小棒大」は、悪質な表現に使うこともあります。人を貶めるような信ぴょう性が無い噂話を、平気で尾ひれを付けて話すようなケースです。「針小棒大なことばかり言うから、信じるのも程々にね」と周囲から注意を促されたりすることもあるでしょう。
【例文】
- 彼は、誤解させるようなことを針小棒大に平気で言いふらすので、人から嫌われている。
- Aさんの話すことは針小棒大だから。あの人が言う「誰々が何々と言っている」っていうのを真に受けないほうがいいですよ。
- 急逝した俳優について、陰謀論を針小棒大に騒ぎ立てSNSで拡散させる輩がいる。
「針小棒大」の類語
大風呂敷を広げる
「大風呂敷を広げる」(おおぶろしきをひろげる)は、現実に合わないようなおおげさなことや嘘を言ったり、実現が不可能な計画を立てたりすることを表す言い回しです。「風呂敷を広げる」ともいいます。
「大風呂敷」は大きめのサイズの風呂敷。小さな物を包む際にも風呂敷は大きく広げることから、現実的でない誇張された話や計画を表すようになったといわれています。
【例文】
- イルカを餌付けしたことがあるなんて、また、大風呂敷を広げてるね。水族館で餌を食べているイルカを見たことがあるってだけじゃないの。
- 風船にぶら下がって宇宙旅行に出かける計画をたてているの?大風呂敷を広げ過ぎじゃない?
大袈裟
「大袈裟(おおげさ)」は話を実際よりも誇張することや、普通の状態よりも程度を超えて大きく表現することをいいます。
由来は諸説ありますが、「恐れ多い」「大それた」を意味する「おほけなし」と語源を同じくする「おほげさ」という言葉に、僧侶の着用した袈裟の大きなものを意味する「大袈裟」の表記が当てられたというのが有力なようです。
【例文】
- 「死ぬほど痛い」って、大袈裟だよ。ささくれが剥けたくらいで。
- お父さん、腰が痛いって言うんだけど、あの歩き方はちょっと大袈裟じゃない?
話半分
「話半分」(はなしはんぶん)とは、ある話題の中で事実は半分ほどであり、後半分は誇張されたり嘘であったりすることを表します。
「針小棒大」の中に嘘を言うことは含まれていませんが、「針小棒大」も「話半分」も、話の中に事実ではないことが紛れている点は同じといえるでしょう。
【例文】
- あの人は悪気はないが、実際よりも誇張してしゃべることがある。話半分で聞いておいた方がいい。
- SNSで速報で流れてきたニュースの内容はにわかには信じがたい。話半分だと疑って、続報を確認してみよう。