「悲恋」とは?意味や使い方をご紹介

みなさんは、「悲恋」の物語に対してどのようなイメージを持つでしょうか。結末の悲惨さよりも、激しい恋に身を焦がす切なさや情熱の美しさなどを思い浮かべる人もいるかもしれません。この記事では「悲恋」について、意味や使い方をご紹介します。

目次

  1. 「悲恋」とは
  2. 「悲恋」の使い方
  3. 「悲恋」の関連語

「悲恋」とは

「悲恋(ひれん)」と聞いて、シェイクスピアの『ロミオとジュリエット』を思い出す人いるかもしれませんね。舞台は、14世紀のイタリアの都市ヴェローナ。先祖代々対立する家の一人息子ロミオと一人娘ジュリエットの物語です。

たとえ詳しいストーリーは知らなくても、悲しい恋の物語ということは、多くの人が知っているのではないでしょうか。

『ロミオとジュリエット』のように、①哀しく悲劇的な結末に終わる恋、または、②相手のことを悲しいぐらいに思い慕う恋を「悲恋」と言います。

「悲劇」とは

悲劇とは、痛ましい出来事や悲惨な終わりを迎える劇のことです。後者は、多くの場合、主人公の死や破滅などで幕を閉じます。よって、①の「悲恋」は、単なる失恋ではなく、死や破滅に至るような恋のことです。

「悲恋」の使い方

「悲恋」はフィクション作品でよく取り上げられるテーマのひとつです。しかし、もちろん、現実世界にも「悲恋」はあります。

【例文】

  • 新演出の舞台で、新人女優が見事に悲恋のヒロインを演じて、喝采を浴びていた。(①)
  • 人形浄瑠璃で観た『曽根崎心中』のお初と徳兵衛の悲恋の物語は、人間が演じるよりも真に迫るものを感じた。(①)
  • 先輩は、飲んだくれるといつも若い時の悲恋話を延々と語りだす。(②)

「悲恋」の関連語

「哀恋」

「哀恋(あいれん)」は、「悲恋」と同じ実らない恋のことです。また、相手を恋い慕って悲しむという意味もあります。普段、使うことのない言葉ですが、五木ひろしの『哀恋記』など歌のタイトルなどに使われる文学的な表現です。

【例文】

  • 今度の脚本は、哀恋にもだえる男女の姿を描いた内容を考えている。
  • 気丈な彼女は、自分より仕事を選んだ男との哀恋の糸を断ち切って、笑顔で別れを告げた。

「叶わぬ恋/結ばれぬ恋」

「悲恋」のように、さまざまな事情によって成就しない恋を表す言葉としては、「叶(かな)わぬ恋」や「結ばれぬ恋」があります。しかし、こういった恋は、失恋したときはつらくとも、必ずしも悲劇的な結末に終わるわけではありません。

【例文】

  • 子供のころからずっと好きだった幼馴染の彼女は、僕の親友と結婚することになり、僕の恋は叶わぬ恋として終わった。
  • 結ばれぬ恋と知りながら、妻子ある男性と愛し合った私は、今、別の男性と結婚して幸せな生活を送っている。

「心中」

「心中(しんじゅう)」にはいくつかの意味がありますが、「悲恋」に通じるのは、愛し合った男女が、合意して一緒死ぬことです。これは、相対死(あいたいじに)や情死(じょうし)とも言います。

「心中」は、元々、吉原の遊女たちが、あなた以外を愛さないという誓いの証文を書いたり、「◯◯命」などと相手の名前を入れ墨することを「心中立て」と言っていたことに由来します。

そして、「心中立て」 の行きついた末に二人で死を選ぶことを「相対死」と呼びました。やがて、「心中立て」と「相対死」が同義となって、「立て」が省略され、「心中」が上記のような意味の言葉として使われるようになったと言われています。

【例文】

  • 昔、身分違いの恋をした男女がこの川で心中したらしい。
  • 浄瑠璃や歌舞伎の演目には、実際の心中事件をモチーフにしたものも多くある。


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