「真に迫る」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「真に迫る」表現や演技は、映画やドラマを形作る大切な要素のひとつでしょう。「真に迫る」は、端的に言えば「まるで本物だと感じさせるようなものごと」という意味です。この記事では、「真に迫る」について、意味や使い方を類語を含めてご紹介します。

目次

  1. 「真に迫る」とは
  2. 「真に迫る」の使い方
  3. 「真に迫る」の類語

「真に迫る」とは

「真に迫る(しんにせまる)」とは、「言葉や形で表現されたものやある物事が、本物と同じであると感じさせる。また、表現方法に本物のような説得力がある」という意味の慣用句です。

「真」は「ほんもの」を意味し、「迫る」は「圧倒的な勢いで近づく。間隔が狭くなる」という意味を持っています。漢字を入れ替えて、「迫真」という同義語もあります。

「真に迫る」の使い方

「真に迫る」は、現実には存在しないにもかかわらず、実際に存在するかのように思わせるような物事に使われる表現です。芸術分野では、「真に迫る演技」「真に迫る彫刻」など、演技のリアリティや作品の再現度を評価する際に用いることもあります。

芸術分野以外では、ある物事が本当のことであったと信じ込み、心身が反応したり、実際に行動を起こしたりするような「真実味」がある様子を表します。

芸術分野での使い方

  • ミケランジェロの彫刻は、どれを見ても真に迫るすばらしいものだと思う。
  • 先日観たシェイクスピア劇は、新進俳優の真に迫る演技が印象深かった。
  • 時代劇作家A氏の作品中、騎馬武者同士の戦いを描いた場面は、真に迫るリアルな描写だった。

「演技や芸術作品」以外の使い方

  • 昨夜見た夢が真に迫るもので、目を覚ますと全身汗だくだった。
  • 電話口での男の話しぶりが、あまりに真に迫っていたので信用してしまい、詐欺にあった。

「真に迫る」の類語

「鬼気迫る」

「鬼気迫る(ききせまる)」は、「おそろしいほどに気迫があり、真剣なようす」のことを言います。「鬼気」は、「(鬼のように)おそろしい雰囲気」という意味です。

「気迫」や「真剣なようす」は、強い「説得力」を感じさせますね。この部分において、「真に迫る」に近い言葉と言えるでしょう。

【例文】

  • 演技に集中する俳優の表情に鬼気迫るものを強く感じた。
  • 文楽人形の、生きているような鬼気迫る激しい動きに、思わず息をのんだ。
  • 代表選考会のスタートを待つ彼の背中に、鬼気迫る意気込みをひしひしと感じた。

「凄みがある」

「凄み(すごみ)がある」は、「相手を威圧するような態度や雰囲気がある。ぞっとするような迫力がある」ことを言います。

ホラー映画を例に挙げてみましょう。圧倒的な迫力や役者の底知れない演技力によって、恐怖が本物として刷り込まれるような感覚を抱いたことがあるかもしれません。

物理的、時間的な隔たりを超えて、「肌身に迫るような圧力や怖さ」を感じる点は、「真に迫る」の類語と言えるでしょう。

【例文】

  • 彼の頬の傷は、その大きな体と相まって凄みがあるが、心根はとてもやさしい人間だ。
  • 海外のラグビーチームが披露した、相手を威嚇せんばかりの力強い踊りは凄みがあった。
  • 職人が削り出した龍の氷像は、今にも咆哮が聞こえてきそうな凄みがある。

「臨場感がある」

「臨場感(りんじょうかん)がある」とは、「その場にいなければ体験できないような感じが伝わってくる」ことを言います。映画や写真を見たり、音声などを聞いたときに感じる表現として使われます。

「その場にいなければ体験できない」ような現実味が、「真に迫る」の類語と言えるでしょう。

【例文】

  • 今度導入されたシネコンの最新映像音響システムで見た映画は、「これまでにないような臨場感がある」と評判になっている。
  • 彼の小説は、想像ではなく、実際の体験をもとに書かれているので臨場感がある表現が多い。
  • ニュースの映像は、臨場感がある事故現場の様子を映し出していた。

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