「似ている」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「似ている」という言葉は辞書で引いても、ほとんど載っていません。でも、日常会話では頻繁に使いますし、「似る」や「似てる」など、同じような言葉や類語も複数存在しています。今回は「似ている」の意味と使い方について類語も含めてご紹介します。

目次

  1. 「似ている」とは?
  2. 「似ている」の使い方
  3. 「似ている」の類語

「似ている」とは?

「似ている」(にている)は、複数の品詞で構成されている言葉です。「似る」「似てる」など、洒落(しゃれ)のようですが、どの言葉も正しい日本語で、それぞれ意味も同じです。

区別をするために、文法の品詞の面から見ていきましょう。「似ている」は、動詞「似る」の上一段活用連用形「に」助詞「て」+助動詞「いる」で構成されています。

意味は、同じように見えること、類似していること、見分けがつきにくいことです見た目の類似にも、内容や構成などの性質や状態の類似にも使います。

「似る」の意味

「似ている」をより深く理解するためには、その基盤となっている「似る」について、詳しく説明していきます。

「似る」は、大きく分けて次の3つの意味を持ちます。

  1. 物のかたちの見た目が同じようであるさま。ある物が他の物と同じように見えるさま
  2. 性質や状態などがほとんど同じようであるさま。共通点を持つさま
  3. 対象のものに相応する、適合するさま。

意味3は、「似ず」と否定形により、「~に似ず~だ」のように用いるため、「似ている」と同じ使い方はできません。例えば、「かわいい顔に似ず(似合わず)、男勝りな性格だ」などです。また、意味1と2は「似ている」とまったく同じ意味です。

「似ている」の使い方

「似ている」は、「同じ」という意味ではありません。例えば「似ている」の代名詞のようでもある「一卵性双生児」の見た目は同じようですが、「同一」ではありません。背丈や髪型、性格など微妙に異なる部分が多々あります。従って「似ている」を使います。

次に「商品」の例で考えてみましょう。あるメーカーの同じ型番、色の冷蔵庫二台は、見た目も内容も性能も同一です。異なっていたら不良品となってしまいます。この場合、「この二台は似ている」というのは誤りで、「この二台は同じもの」が正解です。

もう一点、注意するポイントは、比喩的な使い方です。「白百合にも似ている清楚な女性」だからといって、その女性の見た目が白百合であるわけではありません。白百合が醸す清楚さに例えて女性の清楚さを表現しています。

「似ている」の例文

  • 真由美さんと優子さんは見た目がよく似ているため、姉妹と間違われることが多い。
  • 食用キノコと似ている毒キノコがあるから、キノコ狩りは慎重にしなければ危険だ。
  • この二皿の料理は、使っている香辛料が同じなのか、香りが似ている。
  • 性格が似ている者同士は、意外にも反発しあう例が多いという。
  • あの犯人は、獲物を狙う蛇にも似ている執拗さで、これまで犯罪を重ねてきた。

「似ている」の類語

「類似」

類似(るいじ)双方に共通点があること、似通っていること。「類似している」「類似点がある」などの言い回しが一般的です。

【例文】

  1. B社が最近売り出した機能性バッグは、A社が一年前に出したバッグにあまりにも類似している。
  2. 田中教授の論文と山本教授の論文には、いくつかの類似点が指摘され、大きな問題となっている。

「相似」

相似(そうじ):「似ている」の類語としての意味は、形や性質が互いによく似通っていることです。「~と~は相似している」とか「~と~は相似の関係にある」などの使い方が一般的ですが、堅苦しい言い方なので日常会話で用いられることはほとんどありません。

なお、数学で使う「相似」は、一つの図形を同じ比率で拡大したり縮小したりすることで,別の図形と完全に重ね合わせることができることを言い、そういう関係にある図形を相似形と呼びます。

【例文】

  1. インテリアデザイナーの鈴木氏と田中氏の手掛けるカフェの内装は相似している。
  2. 図柄Aと図柄Bは相似の関係にある。


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