「喧伝」とは?意味や使い方をご紹介

「喧伝」とは、大げさに噂話を広げるさまをいう言葉です。しかし、普段聞き慣れない語ですし、漢字を見落として「宣伝」と間違う方も多いようです。「喧伝」の意味や使い方を例文を交えて説明します。また、言葉の理解を深めるために類語もいくつか紹介しています。

目次

  1. 「喧伝」の意味とは?
  2. 「喧伝」の使い方
  3. 「喧伝」の類語

「喧伝」の意味とは?

「喧伝」(けんでん)とは、盛んに声高に騒ぎ立てて世間一般に広範囲に伝えることです。「喧」は「大声で話す」がもともとの意味。そこから声が大きく騒がしい、やかましい声などを、「伝」で人から人へ広がり伝わる様子を表します。

時折、「喧伝」を「せんでん」と読む方がいます。口へんがつかない「宣」と勘違いしている可能性が高いので、読み間違いには注意しましょう。

「喧伝」の使い方

「喧伝」は、必要以上に対象となる物の効能や性能、人の才能などが良いと語られるイメージです。そのような情報は、わざと大げさな情報を周囲に拡散していることもしばしばあります。多くの人に信頼されず、あまり良くない印象になりやすいですね。

「喧伝」の例として、もちろん噂話に興じて話を盛り、様々な人に伝えてしまうことを言う場合もあるでしょう。

その他に、大げさな宣伝(企業などがサービスや商品の内容を詳しく伝えようとする活動)をしている、テレビ番組などでしつこく取り上げて良い面に焦点を当てた情報を流すSNSなどで盛んに情報を誇張して書き込みをするといった意味でも使えます。

「喧伝」の例文

  • 最近、俳優Aのイメージアップの記事が多い。近々映画が公開されるから喧伝してるのかも。
  • 色々な情報番組で、C社のエクレアを「美味しい」と喧伝しているね。自分は好きだけど、味は人によりけりじゃないのかな?
  • SNSで健康食品を喧伝する有名人が多いけど、そんなに大勢の人が必要だと思えない。まさか、何人かはステマ(提灯記事)じゃないよね。
  • Eちゃんが秀才という噂話が喧伝されている。実際優秀だけど、本人は「言い過ぎだ」と言って、すごく困っていたよ。

「喧伝」の類語

吹聴

「吹聴」(ふいちょう)とは、無責任にあちらこちらで噂話や自慢話などを大げさに言いふらすことです。得意げに広く言って回るさまが「喧伝」とよく似ていますね。ちなみに、「吹聴」のもともとの形は「風聴」だったと伝えられています。

【例文】

  • 真偽の程が分からない適当な話を吹聴(ふいちょう)しやがって。なんて無責任なやつだ。
  • 近所のおじいちゃん、得意げに昔の手柄話を吹聴していたよ。

風説の流布

「風説の流布」(ふうせつのるふ)とは、株価などの有価証券の値を不当に操作して利益を得るため、もしくは人や企業などの信用を損ねて危機に陥らせるために、嘘の情報を広く流して真実のように仕向けることをいいます。

「風説の流布」により企業や個人に損害を与えると、処罰される恐れがあります。一方「喧伝」はよく似た意味ですが、即座に犯罪に結びつくことはありません。

「風説」は世間に広まっている噂話、「流布」は世間に広く知らされるということです。もちろん、両者の言葉自体に悪い意味はありません。「風説の流布」という言葉は、広がっている噂話をさらに信憑性を高めるために言いふらすかのようですね。

【例文】

  • 風説の流布を仕掛けた張本人が、A社の株価が上がったのを見計らって株を売ったのが露見し、警察から取り調べを受けているそうだ。
  • 「会社が危ない」という風説の流布は、先日退職した社員によるものだった。

プロパガンダ

「プロパガンダ」(英語:propaganda)とは、国家の政治体制や思想、主義を強調して広く知らせるために行う宣伝活動のことです。民衆に分かりやすく身近に感じられるように、多くは音楽や映画、ドラマなどの芸術作品を使って行われます。

大掛かりに広めようとする点で「喧伝」と似ています。しかし、「プロパガンダ」のようにはっきりと政治的な利用と限定されているわけではありません。

【例文】

  • この戦争映画はある国のプロパガンダに利用された。
  • ショスタコーヴィチの音楽はソ連のプロパガンダに利用されたが、ソ連の国家体制への批判を練り込んでいたということで一気に西側諸国の評価が上がった。


人気の記事

人気のあるまとめランキング

新着一覧

最近公開されたまとめ