「傑作」の意味とは?
「傑作」(けっさく)の意味は以下の2つです。
- 特に優れた作品や様子
- 面白い言動や様子
「傑作」の「傑」は物事がひときわ優れていること、もしくは非常に優れている人物のことです。「作」は作り出した物、すなわち、作品などを指します。
「傑作」の使い方
「傑作」は、現在では1の意味で使うことが多いです。
1.特に優れた作品や様子
「傑作」は文学、美術、映画、音楽などの芸術作品のうち、特に優れた作品や、その出来栄えを指します。
ある芸術家の作り出した中で最も良い出来栄えのものを「最高傑作」ということもありますね。こちらの意味の「傑作」は英語に訳すと「masterpiece」(マスターピース)です。
【例文】
- 川端康成の最高傑作を選べと言われ、『雪国』か『伊豆の踊り子』か迷う。
- あの映画は今年の中でも傑作に入るね。
2.面白い言動や様子
面白い言動やその様子を意味する「傑作」は、場を盛り上げる人の様子から優れた才能があるように感じられ、「傑」の意味から派生したと見られています。
主に、ある人にハプニングが起こって皆で面白く楽しんでいる様子を表したり、ある人が滑稽な言動をして盛り上げたのを褒めたりするような意味で使います。ただし、やや古めかしい言い方で現在はあまり使わません。
「傑作」の代わりに「面白い」という言葉を使って褒めることもありますし、近年ではSNSの投稿の返事として「イイね」というボタンを押して褒めたり共感したりする例も見られます。
【例文】
- 今日会合で傑作な出来事があってね、参加者みんな、思わず吹き出していたよ。
- 宴会のA君の出し物を見た社長は、「傑作だね。最高だよ!」と笑って褒めていた。
「傑作」:「特に優れた作品」と似た意味の言葉
大作
「大作」(たいさく)は規模の大きな作品を表します。ただし、「大」を名詞の上につけると、程度が甚だしいこと、尊敬や賛美の意味で使う場合があり、「大作」は素晴らしい作品ともいえます。
「傑作」と同様の意味ですが、「特に優れている」という点については言及されていません。
【例文】
- あの著者の最後の本は、全身全霊を込めた大作でもある。
- 昭和初期に書かれた大作だ。
名作
「名作」(めいさく)とは、名高い(意味:世の中に知れ渡った)作品や優れた作品という意味です。「傑作」と同じような意味ですが、「名作」の方は有名である、評判になっているという側面が強くでています。
【例文】
- あの歌は多くの人がカバーしている名作だ。
- 子供に世界名作全集を買い与えたが、全然読みやしない!
「傑作」:「特に優れた作品」という意味で反対に近い語
拙作・愚作
「拙作」(せっさく)・「愚作」(ぐさく)とは、下手な作品やつまらない作品、くだらない作品をいいます。「拙」は上手ではない、不出来でまずいという意味、「愚」はおろかで馬鹿げていることです。
ただし、現在では謙譲語として使い、作者本人が謙遜して自分の作品を貶(おとし)めていう例がほとんどです。
【例文】
- あの人にしては珍しい前の作品の焼き直しをした愚作だね。
- 拙作ではございますが、どうぞ御覧ください。
凡作
「凡作」(ぼんさく)とは、ありきたりでつまらない作品のことです。「凡」とは、ごく普通、ありふれている、並のといった意味で、特に目新しさもなく他と変わりないことをいいます。優れた作品である「傑作」とは真逆の意味に近いですね。
【例文】
- 彼の作品の中でもAという本は凡作で、読者からも評判が芳しくないようだね。
- コンクールに送られてきた原稿は凡作ばかりで、大賞は該当者なしになりそうだよ。
駄作
「駄作」(ださく)は出来が悪い作品のことをいいます。「駄」はもともと荷役に使う馬をいいますが、名詞の頭について、値打ちの無い品やつまらないもの、粗悪品などを表します。何ら優秀なところがなく、「傑作」とは対極にあるような言葉といえます。
【例文】
- やっぱり才能が枯渇したのかな。彼女が作った曲は時代に乗り切れない駄作で売上がさっぱりだ。
- あの映画はまれに見る駄作で、どのランキングを見ても下から数えた方が早いようだね。