「間近」とは?
「間近」は、(まぢか)と読みます。意味は、大きく分けて下記の2つが挙げられます。
- (空間的に)あいだの間隔がきわめて近いこと、また、そのさま。
- (時間的に)あいだの間隔がきわめて近いこと、また、そのさま。すぐ近くの将来であること。
1の意味は、「間近で見る」などの言い回しがすぐに思い浮かびますし、2の意味は、「締切間近」などが、差し迫った状況で使われます。いずれにしても、空間と時間における隔たりの少なさを表す言葉です。
隔たりの基準
「間近」が指し示す空間、もしくは時間的な隔たりの少なさは、具体的にその基準があるわけではありません。
空間的にまさにすぐ目の前であれば明らかに「間近」ですが、その距離の隔たりがどれくらいまでを「間近」と表現できるかは、使い手の主観による部分もあります。
例えば、不動産屋に「スカイツリーが間近に見えますよ」と紹介された部屋を訪れた人にとっては、「間近」と言えない距離であるかもしれません。また、時間的な点では、「締切間近」が一日前を示すこともあれば、長期のスケジュールでは一か月前を示すこともあります。
「間近」の使い方
「間近」の隔たりの定義がなく、主観による部分があることから、その空間的、時間的距離感はケースバイケースで考える必要があります。
大規模なライブコンサートを例とすれば、前から10列目くらいまで、つまり、肉眼でアーティストの表情がわかるくらいの距離なら「間近」な席と言えましょう。
時間的な「間近」も、例えば、クリスマスの二週間前くらいまでなら「間近」と表現してもいいのではないでしょうか。あるいは、もっと前でも街にクリスマスの飾りが溢れ、クリスマスソングがあちらこちらで流れてくれば「間近」と感じるかもしれませんね。
「間近」の文例
- ライブコンサートの最前列の席がとれて、憧れのアーティストを間近で見れた感動は忘れられない。
- 卒論の提出締切が間近に迫り、ここのところ半徹夜状態が続いている。
- スーパーやデパートでおせち料理の予約販売が始まると、もうお正月も間近かとせかされる気持ちになる。
「直近」について
「間近」と同様に時間と空間の隔たりを意味する言葉で「直近」との使い分けが混同されがちです。「間近」と「直近」の違いは以下の通り「最も近い」という点です。
「直近」(ちょっきん)は、すぐ近くの、現時点から最も近くのを意味する言葉です。言い換えると「一番最近(最後)の」「一番近い」ということになります。「予定があくのは直近だと3日後」という場合ならば、3日後が最も早い日という意味になります。
「直近」は、時間について最もよく使われる言葉ですが、場所や人間関係も対象となりえます。例えば、「直近の病院=最も近い病院」「直近の先輩=歳が一番近い先輩」などのように使うこともあります。
「間近」の類語
「直前」
「直前」(ちょくぜん):①(時間的に)物事が行われる、あるいは起こるすぐ前。②(空間的に)あるもののすぐ前。目の前。
【文例】
- 退職直前になってある役職のポストがあき、急遽(きゅうきょ)役員に昇格したのは奇跡ような幸運だった。
- バスから降りた子供が、バスの直前を横断しようとしたので運転手が慌ててブレーキを踏んだ。
「目前」
「目前」(もくぜん):(空間的に)見ている目の前。(空間的、時間的に)きわめて近いこと、すぐ近く。
【文例】
- ウフィツィ美術館を訪ね、絵画「ヴィーナスの誕生」を目前にした時は、感激で身が震えた。
- 第一志望高校の受験日を目前にひかえ、身が引き締まる思いだ。