「当該」とは?意味や使い方を類語との違いも含めて徹底解説

ビジネス文書や公的な書類で「当該」という言葉を見かけたことはありませんか?「該当」と間違えやすいこの言葉、実は使い方を間違えると意味が通じなくなることも。今回は、意外と知らない「当該」の正しい意味と使い方について、具体例を交えて詳しく解説します。

当該とは?当該の意味

現在話題になっている事柄や、直接関係するものごとを指す言葉。また、その物事を担当していることを示す場合にも使われます。

当該の説明

「当該」は、会話の中で繰り返しを避けるために使われる便利な表現です。例えば、会議で特定の商品について話した後、「当該商品」と言えば、今話していたまさにその商品を指します。主にビジネスシーンや公式文書で用いられ、日常会話では「その」や「この」といった言葉で代用されることが多いです。「当該部署」「当該案件」のように、名詞の前に付けて使うのが基本で、堅い印象を与える言葉でもあります。類似語の「該当」とは意味が異なるため、使い分けに注意が必要です。

ビジネスでは必須の表現なので、しっかり使いこなしたいですね!

当該の由来・語源

「当該」という言葉は、中国の古典に由来する漢語です。「当」は「あたる」「相当する」という意味を持ち、「該」は「包括する」「網羅する」という意味があります。この二文字が組み合わさることで、「今話題にしているものごとにぴったり当てはまる」というニュアンスを表現するようになりました。もともとは公文書や法律文書で使用されていた格式高い表現で、時代とともに一般のビジネス文書にも広く使われるようになりました。

正確な表現が求められる場面でこそ活躍する言葉ですね!

当該の豆知識

面白いことに、「当該」はしばしば「該当」と混同されますが、実は意味が異なります。また、この言葉は主に書き言葉として使用され、話し言葉で使われることはほとんどありません。さらに、官僚用語としてよく使われることから「お役所言葉」の一つとも考えられています。英語では「the said」や「the aforementioned」などが近い表現ですが、完全に同じニュアンスを伝えるのは難しいとされています。

当該のエピソード・逸話

元総理大臣の小泉純一郎氏は、国会答弁でよく「当該」という言葉を使用していました。特に郵政民営化に関する議論では、「当該法案」「当該問題」といった表現を頻繁に用い、議論の焦点を明確に示すことで知られています。また、有名な経済評論家の勝間和代氏は著書の中で、ビジネスパーソンこそ「当該」のような正確な言葉を使い分ける重要性を説いており、自身のセミナーでもこの言葉の適切な使用方法を解説しています。

当該の言葉の成り立ち

言語学的に見ると、「当該」は照応詞(anaphora)の一種として分類できます。文中で前に出てきた名詞句を指し示す機能を持ち、文章の重複を避けつつ明確な参照を可能にします。また、この言葉は漢語由来のため、和語表現に比べて硬い印象を与える特徴があります。統語論的には常に名詞を修飾する連体詞として機能し、自立して述語になることはありません。現代日本語では、特に法律、行政、ビジネスなどのフォーマルな分野で高い使用頻度を示しています。

当該の例文

  • 1 会議で説明したばかりの資料について、「当該資料の3ページをご覧ください」と言われて、慌ててページをめくった経験、ありますよね。
  • 2 メールで「当該案件の進捗状況」と書かれると、どれのことか一瞬迷うけど、前の文を読み返すとちゃんと書いてあるある。
  • 3 上司に「当該部署に確認して」と言われ、どの部署か聞き返すのが怖くて、過去のメールを必死に探したこと、誰にでも一度はありますよね。
  • 4 「当該商品の発送について」というタイトルのメールが来ると、つい注文した全ての商品を確認してしまいませんか?
  • 5 書類で「当該事項」と書かれていると、重要そうに見えるからついしっかり読んでしまうけど、実は前のページに同じ内容が書いてあったりするあるある。

「当該」と「該当」の使い分けポイント

「当該」と「該当」はよく混同されがちですが、実は明確な使い分けがあります。この2つの言葉を正しく理解することで、ビジネス文書の質が格段に向上します。

比較項目当該該当
意味今話題にしている特定のもの条件や基準に合致するもの
使い方「当該+名詞」の形が基本「該当する」「該当者」など多様
使用シーン公式文書・ビジネス文書申請書・条件確認
例文「当該案件について審議する」「条件に該当する方は申し出てください」

簡単な見分け方としては、『特定のものを指しているか』『条件に合致するかを表しているか』で判断すると良いでしょう。

「当該」を使う際の注意点

  • 前の文脈で既に話題になっていることが前提です。突然「当該」を使うと、何を指しているか分からなくなります
  • カジュアルな会話では不自然に聞こえることが多いため、状況に応じて「その」や「この」を使い分けましょう
  • 法律文書では「当該」が多用されますが、一般のビジネス文書では適度な使用が望ましいです
  • 英語で表現する場合、文脈によって「the said」「the aforementioned」「the relevant」などを使い分ける必要があります

言葉は生き物です。格式ばった表現も時代とともに変化しますが、正確な意味を理解した上で使い分けることが大切です

— 金田一春彦

関連用語と歴史的背景

「当該」は明治時代以降、近代的な法律制度の整備とともに公文書で頻繁に使われるようになりました。特に官僚用語として発展し、現在のビジネス用語として定着しています。

  • 類似語:前述、上述、既述
  • 対義語:別件、他事
  • 関連語:本案(ほんあん)、本件(ほんけん)
  • 英語表現:aforementioned, said, relevant

戦後の公文書改革においても「当該」の使用は維持され、現在ではIT業界や金融業界などでも広く使われるようになりました。デジタル時代においても、正確な意思伝達のために重要な役割を果たしています。

よくある質問(FAQ)

「当該」と「該当」の違いは何ですか?

「当該」は「今話題にしている特定のもの」を指すのに対し、「該当」は「条件や基準に合致するもの」を指します。例えば「当該案件」は特定の案件を、「該当者」は条件に当てはまる人を指します。

「当該」は日常会話で使っても大丈夫ですか?

「当該」は主にビジネス文書や公文書で使われる格式ばった表現です。日常会話では「その」や「この」を使う方が自然です。友達との会話で使うと、少し堅苦しい印象を与えるかもしれません。

「当該」を使うときの注意点はありますか?

前にその話題が出ていることが前提です。突然「当該」を使うと、何を指しているか分からなくなります。また、「当該の」という形で使う場合もありますが、意味はほとんど変わりません。

英語で「当該」はどう訳しますか?

「the said」「the aforementioned」「the relevant」などが近い表現です。文脈によって使い分けが必要で、完全に同じ意味の単語はありません。

「当該」を使わない方がいい場面はありますか?

カジュアルなメールやSNS、親しい間柄の会話では不自然に聞こえることがあります。また、前の文脈が明確でない場合、誤解を招く可能性があるので避けた方が良いでしょう。