「当該」とは?意味や使い方を類語を含めてご紹介

「当該」という言葉を目にすると、「該当」の間違いかと思うかもしれません。「当該」は登場頻度の少ない言葉ですが、ビジネスの場などでは重要な意味をもちます。今回は「当該」の意味と使い方について、「該当」との相違点や類語も合わせてご紹介します。

目次

  1. 「当該」とは?
  2. 「当該」の使い方
  3. 「当該」の類語・類似表現
  4. 「当該」と「該当」の違い

「当該」とは?

「当該(とうがい)」とは、「今現在話題にのぼっている事柄やに直接関係すること、また、そのもの」。もしくは、「その物事の担当であること。」です。

定義を読むだけでは、イメージがつかみにくいかもしれません。たとえば、企画会議である製品の説明をしたあと、(今、説明していたその製品)を指して「当該製品」と表現します。また、ある事柄を直接担当する部署を「当該部署」と言うこともあります。

「当該」の使い方

「当該」の文法的な使い方は二通りあります。一つ目は、「当該」+名詞という構成の、連体修飾語としての用法(例:当該事件、当該事項、当該社員)。二つ目は、「当該」+助詞「の」+名詞、という構成の用法(例:当該の機関、当該の文書、当該の選手)。

「当該」の前には、必ず「当該」の部分に重なる内容があります。つまり、すでに語られた内容を繰り返すことを避けるため「当該」を用います。

日常会話で使われることはほぼなく、官公庁などの公的文書やビジネス文書などのあらたまった言葉として使われています。

「当該」の文例

  • 今期の口紅のラインアップが近日中に発表されるが、当該商品の宣伝会議は明日行うものとする。
  • 機密情報を漏洩した人物はすでに懲戒解雇としたが、当該社員への訴訟も検討中。
  • 本校の生徒が川で溺れた子を救助した件において、当該の生徒を表彰することとする。
  • 新製品の企画案を役員会に提出するにあたり、当該の文書を部長承認段階へ進めること。

「当該」の類語・類似表現

「当該」の類語として、あらたまった文書などでは、「前述の」「上述の」などが当てはまるでしょう。

【文例】

  • 欠陥商品回収の指示を各部署に書面で出すものとする。前述の文書の内容は役員会にて討議中。
  • ロンドンの姉妹校より、交換留学希望者5名受け入れの回答がありました。上述の生徒5名の氏名は以下の通りです。

一方、くだけた文章、会話などでは、「その」「この」、あるいは「今説明した」「今話した」などが「当該」に近いでしょう。

【文例】
  • グラタンが最高に美味しいレストランがあるんだ。その店の名と電話番号を教えてあげるよ。
  • 友達の掃除機の性能が抜群なの。しかも、今話した掃除機、旧製品扱いでいっせいに値下げ中!

「当該」と「該当」の違い

「該当」は、ある一定の条件や資格にあてはまること、適合すること、を意味します。「当該」と「該当」は同じ漢字で成立していますが、まったく同じ意味かというと、やや異なる部分もあります。例を挙げて、違いを確認していきましょう。

【例】(忘れ物の問い合わせに対して)
お客様がお問い合わせのものに、該当する傘が見つかりました。当該の傘は、忘れ物センターでお預かりしております。

前半の「該当する」は、「当該する」と言い換えることはできません。これが、「該当」が重きを置いている「条件や資格に一致」という部分です。しかし、「当該の傘」は「該当の傘」としてもあまり違和感はないでしょう。ある事柄にあてはまる、という点が共通していますね。

「該当」は、「該当企画」「該当者」など、該当+名詞で使うケースもみられますが、上述のように「該当する」と動詞として用いることも多くあります。

「該当」の文例

  • プレゼントの引き換えはこちらで行いますので、該当の方は当選番号をご提示ください。
  • 上記項目A~Eのなかから、該当するものに○をつけてください。
  • ご希望の性能をそなえた掃除機としては、当社ではAとBの2つの製品が該当します。


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