「迂闊」とは?意味や使い方をご紹介

「迂闊」という言葉をご存じでしょうか?「迂闊」と書いて<うかつ>と読みます。この言葉をディズニーランドのあるアトラクションの設定解説で知ったという人もいるかもしれませんね。今回は、「迂闊」の意味や使い方について解説します。

目次

  1. 「迂闊」とは
  2. 「迂闊」の使い方
  3. 「迂闊」の類語

「迂闊」とは

「迂闊」<うかつ>とは、「うっかりしていて心配りが行き届かないこと」、あるいは「回りくどくて役に立たないこと」という意味です。多くの場合、前者の意味で用いられます。

「迂」とは

「迂」は、音読みでは<ウ>、訓読みでは<とお-い・まが-る>と読みます。複数の字義がありますが、「迂闊」の場合は、「疎い・鈍い」や「遠回りする・回りくどい」という意味です。

「闊」とは

「闊」は、音読みでは<カツ>、訓読みでは<うと-い・ひろ-い>と読みます。「疎い・ボンヤリとしている」や「遠く離れている」などを意味する漢字です。

「迂闊」の使い方

「迂闊」は名詞として用いられるだけでなく、形容動詞としても働きます。また、「迂闊さ」は「迂闊」から派生した名詞です。

【例文】

  • 迂闊者の彼はパスワードを付箋に書いてパソコンに貼っていた。
  • 教師の迂闊な発言はその生徒を傷つけた。
  • 田んぼが心配だが、この暴風雨では迂闊に外に出ることも出来ない。
  • 「とんだ思い違いをしていた」と、彼女は自分の迂闊さを呪った。

『人間豹』/江戸川乱歩

神谷は迂闊千万にも、にかけられたのだ。
ー江戸川乱歩『人間豹』ー

「千万」<せんばん>は形容動詞について「甚だしい」<はなはだしい>という意味を添える働きがあります。「迷惑千万」や「卑怯千万」のようなかたちですね。ここでの「迂闊千万」は「うっかりするにも程がある」といったことを表しています。

なお、『人間豹』は名探偵 明智小五郎を主人公としたシリーズの中の一作で、女性の殺戮を繰り返す半獣半人の怪人物 恩田と対決するというストーリーです。

「迂闊」の類語

「軽率」

「軽率」<けいそつ>とは「軽はずみ・浅い考えで軽々しく何かをすること」です。「軽挙妄動」<けいきょもうどう>や「軽佻浮薄」<けいちょうふはく>とも言い換えられます。これらは「迂闊」とほとんど同じ意味です。

【例文】

  • 今回は私の軽率な行動で周囲に迷惑を掛けてしまった。
  • 同じチームで仕事をするのは初めてだが、彼の軽率さにはあきれるばかりだ。

「残念」

「残念」は、「物足りなく思うこと・心残りがある様子」や「悔しく思うことやその様子」というのが辞書に記載されている意味です。

しかし、若者言葉では「頑張ってはいるけれど結果が伴わない」「軽はずみな言動が長所を打ち消す」「短所が長所を覆い隠している」というニュアンスで用いられることがあります。本人の心残りや悔しさではなく、第三者から見た物足りなさや無念を表しているわけですね。

若者が使う「残念」は、「迂闊」に近い意味である場合があります。

【例文】

  • 彼の残念な発言のせいで飲み会の場がしらけてしまった。
  • 彼女は熱心に仕事に取り組んでいるが、要領が悪い残念な人だ。

「粗相」

「粗相」<そそう>の意味は複数ですが、その中に「軽薄なこと・不注意からミスを犯すこと・軽率な過ち」という意味があります。「迂闊な言動」などは「粗相」と言い換えることが出来るでしょう。

【例文】

  • 大事な接待だから、クライアントに粗相のないように気をつけてくれ。
  • 新人の粗相には多少は目をつぶることも必要だ。

「不覚」

「不覚」<ふかく>は複数の意味を持つ言葉ですが、「迂闊」の意味に近いのは「油断から失敗すること・しくじり」です。

【例文】

  • あの選手はこのトーナメント中、一度も不覚をとらなかった。
  • 不覚にも重要な会議中に居眠りをしてしまった。

「間抜け」

「間抜け」には「的外れ」という意味もありますが、「言動に抜かりがあること・愚かなこと」という意味もあります。後者は「迂闊」に通じるところがありますね。

【例文】

  • 彼女の間抜けな質問はその場にいたみんなを苛立たせた。
  • 彼の嘘を見抜けなかった自分の間抜けさに腹が立つ。


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